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2021年4月24日(土)家族研修会「家族の回復プログラム」②

講師:群馬ダルク 施設長 福島 ショーン氏・代表 平山 晶一氏

 今回も群馬ダルクより、平山晶一氏と福島ショーン氏を招いて「家族の回復プログラム」②と題しての研修会を行いました。
前回の終わりに機能不全家族の勉強をするとのことでしたが、今回はアリゾナ州の家族会で学んだ脳科学のお話となりました。
 アリゾナの回復施設は家族が家族教室に参加しないと入所を断られるそうです。それくらい家族が依存症の病気を理解することが回復にとって大切だということです。
 病気をしっかり理解していないと偏見(スティグマ)を持ち、回復の邪魔になってしまいます。ディディーズモデル(病気)として理解していくことが重要です。
しかしなぜ依存症は「病気」として受け入れられにくいのでしょうか。それは検査して何かしらの数字で表すことができないからだそうです。病気になる要因としては、遺伝が52%、生活環境が40~48%になるということです。依存症でいえば、環境として使う友だちや家族がいる状況です。
 WHOの病気の3つの基準は、
① 本人がつらいかどうか。
② ②機能不全に陥っているか。
③ ③困っているかで判断するといいます。
慢性疾患としての依存症はこの基準に当てはまります。
 薬を使ったときに、脳内では何かが起こっています。脳内には3種類の物質が必要ですが、ひとつはドーパミン・あとはセロトニンとアドレナリンです。薬物によって影響されるのはドーパミンです。
 薬物をやりたくなるのは、快楽を求める・問題から逃げる・リラックスしたいという理由があるようです。はじめは快楽を求めていた人たちも、すぐにやらないと生きていけない状況になっていくそうです。脳が変わり始めてドーパミンを出すために脳が行動をコントロールするようになります。決して意志の問題ではないということです。脳のあらゆる部分が変容し、セーブすることができなくなり、うつ状態になること、恐れを抱かなくなること、優しさや思いやりが欠落していくなど、人として重大な部分が壊れていきます。そして、考えること、計画を立てること、問題を解決することができなくなります。
 家族がこの病気を理解することは、自分たちを理解することに繋がります。それは問題に巻き込まれているうちに、家族も依存症様の状態になっているからです。私たち家族も同じメカニズムで動いてしまっているのです。
 興味深かったのは、ドーパミンチャートでした。普通の生活で、生きるためにこれ以上のドーパミンは要らないという数字を100として、食べ物やスポーツは80くらいです。アルコールが150、マリファナが180くらいです。そして、家族が共依存になり必死になるとアルコールより高い数値になるそうです。
 では、遺伝と生活習慣ではどちらの依存症が回復しにくいのでしょうか。遺伝の場合ははじめからドーパミンが低い状態に慣れているので、耐える力があり乗り越えやすいのだそうです。

 なんといっても、回復していく責任は本人にあります。病気だから仕方ないと責任を放棄せず、スピリチュアルな方法を実践していけるといいということでした。
家族は本人を回復させる責任はないこと、きっかけを作ることだけが家族にできること、
そして、親がいなくても生きていけるように応援をしていくことが大切だと切に思いました。
 ショーンさんと、プーさんは自分たちの回復をこのように話されました。
「治療を受けるきっかけは、どうにもならなくなったことを認められたから。回復はダルクに入れば回復だと思っていたが、そうではなくて自分の中で変化が起こってきたこと。仲間の中で感じること。感じ方が変化してきた。目指していた回復とは違ったりすることも多い。」

依存症の回復率は4割。その中に入るために私たち家族は何をするか?ともに考えましょう。

2021年3月27日(土)家族研修会「家族の回復プログラム」①

講師:群馬ダルク施設長 福島 ショーン氏 ・ 代表  平山 晶一氏

 今回は群馬ダルクより、平山晶一氏と福島ショーン氏を招いて「家族会のプログラム」の研修会を行いました。

平山氏は横浜出身の方で、高校生の時に薬物を使用し始め、すぐに止まらなくなったといいます。使っていてもすぐにつらくなり、回復の中で癒されてきたとのことです。横浜ダルクのセナさんと同期で一緒に回復の道を歩んでこられました。コロナ禍でzoomでの研修会も多いそうですが、こうして対面でうなずいてもらえるだけでもうれしいと話されていました。

福島ショーン氏は座間キャンプ内で育ち、15歳でブロンを飲み始めたそうです。ハワイでアメリカの回復プログラムを勉強し、群馬ダルク独自の家族プログラムを実施しています。

 コロナ禍では、家族や本人からの相談が増えているといいます。孤立していたり薬物が手に入りにくかったりと原因はさまざまのようです。電話相談や家族間のネットワークを利用するのも一手です。

ショーン氏が回復プログラムにつながったころはまだ「突き放せ」と言われていた時期で、母親に突き飛ばされた様な感じがするそうです。今は、考え方もずいぶん変化し、いろんなことをやってみようという取り組みになっています。群馬ダルクでは家族にも一緒に考える方法をとり、自分たちに置き換える参加型に取り組んでいます。

 依存症の現場でよく耳にする「共依存」という言葉ですが、説明するのは難しいです。今回、「共依存」を6つのタイプに当てはめて説明をしてくださいました。

まず①コントロール:コントロールにも「支配する」「支配される」の2種類があります。子供のころはある程度保護者が支配することで成長していきますが、依存症になってしまうと反発しコントロールしようとします。

支配関係も入れ替わりがあり、お金を要求して支配しようとしますが、お金を親が渡した瞬間に支配が逆転していきます。お金に支配されていきます。要求に付き合わなければ共依存は成立しなくなります。「期待」と「理想」を手放せば支配からはなられると、私たち家族には大きな決断が必要な言葉を聞いたように感じました。薬の問題が大きい時は「生き延びてさえくれればそれでいい」と思っていても、回復してくると欲が出て、理想が出てきてコントロールしようとしてしまいます。親が思うようにできなくても認めてほしいと話していました。②悲劇のヒロイン:ドラマクイーンは「なんで私だけ?」こんなにつらいのはまわりのせいだとか、自分のせいだとか自己憐憫に陥ること。「私は私」になれないことから起こります。日本人は自分を責める傾向にあるそうです。家族の持つ罪悪感が依存症者にも罪悪感を背負わせてしまったり、家族が持つ罪悪感に依存症者が付け込んだりして、よい結果にはならないので責めたくなるくらいなら離れたほうがよほどいい関係になるとのことです。家族もプログラムを受けて元気になることにより、本人も変化していきます。

③ピープルプリーザーは、なんでもやってあげる人のことを指します。共依存と呼ばれる最たるもので、やってあげて喜ばせることがうれしい・自分は犠牲者で余計なこともしてしまいます。他人が中心にいて「自分が気持ちいい」もしくは「やらないことが罪悪感」になり本人にも自分にも害があります。依存症者本人にとっては最高に都合のよい家族です。

④ドアマットは、本人が起こした問題の後処理を家庭でする。つまり尻ぬぐいとなります。家族は「やらない。あなたのために生きているんじゃない」という気持ちを持つことが大切です。

⑤ウォールフラワーは父親に多いタイプでただ立って観ている。上から目線でみて時々中途半端に関わってくることです。半端なくらいなら、何もしないほうがよいといいます。

⑥エンパスは何でも共感する人。おかしいと思ってもやってしまい疑わない人のことです。危機感がなく騙されやすいので都合がよい人です。共依存の中では大変な部類になります。

 共依存は連鎖します。ふつうは家族のために動くことはいいとされますが、依存症が生まれてしまうと通用しなくなります。共依存はコントロールの病です。変えるチャンスはあります。家族はいろいろ勉強しておくことが必要です。依存症者と距離をとること、分離していく教育をすることを大切にして家族へのプログラムを開催しているとのことです。親の責任は、子供を自立させることです。

軽快な語り口のお二人にたくさんのことを学びました。次回は「機能不全家族」についての研修会となります。お楽しみに。

2021年2月28日(日)第6回「薬物依存症者と家族オープンセミナー」

薬物依存症は病気です。~家族が笑顔を取り戻すために~

昨年は新型コロナウィルス感染拡大防止のため、やむなく中止となりましたが、今回は緊急事態宣言中でしたが、関係各機関のご指導により万全の感染対策を実施して開催しました。会場に参加できない方々にはリモートによる参加を呼びかけ、会場とオンライン参加された全国各地の方々と広くつながり、130名の方々が問題の共有ができ、希望がみえるセミナーとなりました。

 まずは家族の体験談としてジローさんのお話でした。

ジローさんは姪ごさんの依存症回復に尽力してきました。今回、姪ごさんの家族の背景やこれまでの治療の経過などを詳しく話されました。あちこちのダルクなどに繋がっては出てしまうことを繰り返したけれど、沖縄で落ち着き回復に向かえました。今は頼れる仲間もできて、これまでのジローさんの努力が報われたように感じるそうです。

 お二人目は、湘南ダルクで回復の道を歩いているユーキさんの体験談です。

入寮してアディクトと自分は違うと感じていたそうです。家庭環境は「あいさつのない家」「両親の共働き」「虐待」と赤裸々に話されました。問題のない家庭はないし、自分と家族は合わせ鏡のように思うとも語っていました。12年間睡眠薬が放せず、パチンコ・パチスロにはまって「眠らない街で眠らない俺」をかっこいいと思っていたといいます。

 客観的に自分を振り返ったときに、恥ずかしい自分がいたと思っているとのことです。堅苦しく表現してしまう自分も嫌、そして親が自分の息子に困惑しているのではないかと、試すように怒鳴り、助けてほしいという気持ちが届いているのか確かめていたように思うそうです。精神病院に入院させられた時は恨んでいたけど10年以上にわたったクスリの生活から抜けられたことに感謝していると。

親との関係はすぐには元に戻らないけれど、親への思いは伝えたいし、ほどよい距離で支配されないことが大切だと思っているそうです。最後に「親の意見と日本酒はあとから効いてくる」という言葉で絞めてくださいました。

 三人目の講演者はNPO法人友愛会の生活指導員 田中 健児さんです。

山谷のドヤ街で制度の隙間を埋める活動を長年されています。山谷は酒と近しい生活場所で断酒には厳しい街です。家族とは疎遠でアルコールと近い生活であるため、トータルサポートが必要な人が多く住んでいます。物事の優先順位が物質で貧困が拡散・拡大・多様化している現代社会においてドヤ街支援をすることは、生活のすべてにおいて支援をすることに繋がります。山谷に集まる人たちは、精神的・社会的・身体的に生きることがうまくない。のしかかる不安から逃れるために依存症になっていく人が少なくない現実があります。治療のネットワークを多く、長く継続していけるようになる必要があります。田中さん自身も薬物・アルコール依存症当事者であったため、仕事を機に薬物・アルコールを断つ決心をしたそうです。ひとの心は変えられないけど、本人が望めば回復の場を提供して情報や選択肢を知らせていけるように取り組んでおられます。うまくいかないことも「前向きにあきらめる」という名言が印象的でした。

  そして、みくるべ病院の岡﨑有恒先生のお話は、ご自身のエピソードを含めてわかりやすいお話でした。

「依存症への正しい対応」という、まさに今私たちが直面している困難な課題についての大変重要なメッセージをいただきました。当事者の回復を促す関わりには『労多き愛』が欠かせない、バランスのとれた関わりがポイントとなること、関わるからには責任を全うする姿勢が必要であること等々、先生ご自身のご家族との関係に係るユーモアをまじえたエピソードを含めて時間の経過を忘れて拝聴させていただきました。

依存症に苦しむ人たちに必要なものはリアルな体験談だとのこと。医者などたいして役には立たないと話していました。家族が一番困るのは、当事者が重症な状態なのに病識がなく、病識がない患者は病院が受け入れてくれないことです。みくるべ病院は治療途中で退院を迫ることなく、プログラムの終了まで診てくれる数少ない病院です。途中で逃げず向き合うことで困難を解決する過程を経験し成長があると。回復には「愛が」必要で、相手の成長を願い、問題と向き合い取り組ませること…回避からの脱却をすることと考えているそうです。

 回復を促す関わりとは、「適切に突き放す・存在としてそばにいる・自助体として共に取り組む・一貫した意志と努力する姿勢を関係者も見せる・愛は自らも成長する過程ととらえる。」悩んでいる家族にとってはできそうで難しいですが、仲間とともに取り組んでいけるとよいと思いました。

Q&Aセッションでは、

横浜ダルク・HOPE湘南ダルクの施設長も加わってくださり、「愛を持って関わっていくにはどうしたらよいか」をテーマに、会場とZoom オンラインのチャットからの質問に応えてくださいました。

 またひとつ、横浜ひまわり家族会の足跡ができたように思います。

ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。

2021年1月23日(土)家族研修会

講師:日本ダルク代表 近藤 恒夫氏

インテグレーションセンター 上野 カハナ所長  高橋 仁氏

弁護士 高橋 洋平氏

今回は、日本ダルク代表の近藤恒夫氏、インテグレーションセンター上野カハナのひとしさん、弁護士でアパリ嘱託研究員の高橋洋平氏がひまわり家族会にきてくださいました。

 近藤氏は昨年、体調を崩され入院をされていたとのことでしたが、元気な顔を見せてくださいました。近藤氏は以前から、ダルクに学校を作りたいと話しておられました。沖縄宮古島の教会を使ってその夢が実現していくようです。

 アルコールや薬物に問題を抱えている人たちは高校中退者が多く、回復の道に入ってもいい仕事に就きにくい現状があります。収入が低かったりやくざの世界に入ってしまったり生活がままならないことが多くなる傾向にあります。少年院に入っている人たちの中には、勉強をもう一度やりたいと思う人が多いようです。

 近藤氏は刑務所を出て8年間、ミーティングに出続けたそうです。「薬物は一人では止められない・仲間が必要。仲間を増やすことを考えダルクを創った。ダルク後はどうするのか、これからの大きな課題。」と話されます。当事者が依存症者の支援をしていくことは合理的で当事者が胸を張って生きていく手助けになります。依存症について次世代の人に早く理解してもらえるようにスタッフには勉強が必要とされます。

 家族は心配しないで子供が旅をして荒波にもまれて、いろいろな人の力を借りることを覚えていく過程を見守ってほしいと話していました。いい友・悪い友関係なくつくればよいとも。そして家族も癒しの場所をもってくださいと!

 インテグレーションセンター上野カハナのひとしさんは、約20年近藤氏のもとで勉強をされていました。今回独立して依存症回復施設を創りました。施設の名前の意味は「差別しない」「ターニングポイント」だそうです。独立することをなかなか近藤氏に言い出せなかったのは自信がなかったことと、親より長く一緒にいたので申し訳ない気持ちがあったとのことです。しかし、「自分がやりたいことをやればいい」と気持ちを決めたといいます。「何ができるわけではないが、仲間に寄り添って孤立させない」という気持ちでやっていきたいと話されていました。近藤氏がよく言う「おっぱいが欲しければ泣きなさい」ですが、ひとしさんは泣き方がわからず困ったそうですが仲間のためと言い聞かせ、資金集めに奔走しているとのことでした。近藤氏との仲がよくわかるハートウォーミングなお話でした。

 弁護士の高橋氏は「新しい弁護のあり方~更生と回復の型」をテーマにお話をしてくださいました。弁護士としての第一歩は、近藤氏に判決を下した奥田弁護士との薬物事犯だそうです。(当時は裁判長)それがきっかけで近藤さんやダルクと関係ができ、藤岡ダルクの琉球太鼓の旗持ちをされているそうで、仲間として受け入れてもらえた感じがしてうれしかったと話していました。事件のこともダルクの人に相談できることもありがたいと。

 リーガルサポートについての話では、裁判官のなかには薬物依存症について理解してくれる人も少しずつ増えてきて判決も様変わりしてきているけれど、理解には個人差がありまだまだ時間がかかりそうです。起訴されなかったけれども治療に必ずつながるわけではなく、また合法ドラッグはそもそも逮捕されないので治療につながりにくい傾向にあります。家族としてはどちらもつらいです。違法でも合法でも、薬物を使わない生き方ができるように支えていく社会になっていけばよいですね。

 高橋弁護士のような方が増えていくことを切に願いました。

令和2年11月28日(土)家族研修会

講師:横浜保護観察所 統括保護観察官 仲野智之氏

 今回は、横浜保護観察所 統括保護観察官の仲野智之氏をお招きして、「保護観察における薬物事犯者の処遇について」をテーマにお話をいただきました。

 まずは「更生保護の役割」とは、犯罪を犯した者及び非行のある少年に対し、社会内において適切な処遇を行うことにより、再び犯罪をすることを防ぎ、またはその非行をなくし、これらの者が善良な社会の一員として自立し、改善更生することを助けるとともに(中略)犯罪予防の活動の促進等を行い、もって、社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進することを目的とするものです。保護観察は教育や福祉・保健や医療など多方面の関係者と連携し社会復帰を目指し、再犯防止を目的としています。特に生活環境の調整は、社会にスムーズにつないでいくために必要不可欠となるものです。釈放後の住居や仕事先の調査を行うなどして立ち直りを支える環境を整えていきます。引受人家族会は年に2回開催され、家族がどうしていくべきかを学ぶ機会を設けています。その場に横浜ひまわり家族会からメッセージ活動のために参加しています。引受人会でひまわり家族会のことを知り、家族会につながった方もいらっしゃいます。

 保護観察は、主に保護司によって行われています。近年、対象者の抱える問題が複雑多様化しており、また家族関係の希薄さや住宅環境の変化による生活実態の把握の困難さがあるようです。生活環境の調整や、犯罪予防活動なども保護司によって行われていますが、家族関係の希薄さや地域社会の連帯感の希薄さなどが浮き彫りとなり、犯罪抑制の機能が落ちていることが懸念されています。薬事犯罪は特に再犯率が高く、病気としての治療が不可欠となっています。執行猶予期間に必ず保護観察に付され、再犯防止のプログラムを受けたり、尿検査を受けたりすることが義務となっています。再犯防止プログラムをしっかり受けていると再犯率が低くなる傾向にあると検証結果が出されています。

 保護観察官や保護司による指導には、定期的に面接し悩みや課題を話し合える関係作りを大切にしているということです。薬事犯罪者は自分の悩みを相談する経験がない場合が多く、人との信頼関係を結ぶのが難しい傾向にあります。他者から大切に思われる経験こそが自分を大切にできる気持ちを持てるようになります。必要な支援につながり、生きづらさが和らいでいく可能性が出てきます。私たち家族の安定も、相談できる誰かを作ることですね。本人にも家族にも大切なプロセスです。

 薬物再乱防止のプログラムは依存症専門外来などでも適用されているプログラムです。ダルクのスタッフがファシリテーターやアドバイザーとして参加する場合もあります。保護観察期間が長い人は繰り返しプログラムを受けているそうです。そのプログラムの後に、自助グループにつながることが回復への大きなステップになりますが、実際のところ難しいようです。

 家族ができること、それはどの研修会にも共通することですが、まずは家族が回復することです。家族も自助グループで仲間を見つけ、助けを求められることが大きな安心につながります。そして迷いはあるでしょうが、家族が相談することによって本人の回復のチャンスが生まれます。本人も家族も抱え込まずに相談するスキルを身に着けることが非常に大切なステップです。

講義のあとは、個別相談にものっていただきました。

令和2年 9月26日(土)・10月24日(土)「秋の市民公開講座」

  9月10月の「秋の市民公開講座」は、2回連続講座で国立精神・神経医療研究センター・精神保健研究所薬物依存研究部診断治療開発研究室長の近藤あゆみ先生をお招きして「薬物依存症者をもつ家族を対象とした対象とした心理教育プログラム」についてお話いただきました。会場に参加できない方へ講演会場からライブ配信しました。

 まずは「薬物依存症」とは、どんなものなのかという基本的なお話から始まりました。そして依存症からの回復について必要なものとして、「①薬物をやめること。②安全な生活スタイルを作ること。③薬物なしで幸せに生活できるための力を身につけること。」ですが、これには非常に時間がかかることや、仲間が必要であることを知っておくことが大事ですね。私たち家族も依存症者の混乱に巻き込まれ、同じように混乱し病的な状態に陥ります。家族がどうすればよいのか、まさしくそこが今回の研修の内容です。

 家族の薬物依存の問題が起こったときに、私たち家族も巻き込まれ眠れなくなったり食事ができなくなったりと、追い込まれていきます。まずは、落ち着きを取り戻すことが大切です。一日の中で安定する時間を少しでも持つようになること。混乱状態でそんなことを言われても、難しいのは家族の皆さんは痛いほどわかっています。家族も仲間と知り合い、助けを求められると変化が起こってきます。

 本人のみの治療ではうまくいかない場合が多いこと、家族のみの支援でもうまくいかない。両方への治療や支援が必要で、同時展開で回復していけるのが理想的な形になっていくそうです。

 家族が目指す依存症者本人との関係性は、「心理的境界線の明確化」が一番大切です。自分の領域、他人の領域を明確にすること。自分が何に責任を持つべきか、依存症の問題に巻き込まれると何もかもが家族の責任のように感じ、解決しなければいけないと必死になってしまいます。境界線を意識することは起こっている事態が誰の問題でだれが解決すべきなのかを考えることができるようになります。

そして「イネーブリングをやめる」こと、これもどの家族も知らず知らずに行ってきている行動だと思います。周囲の人が本人を助けようとして行うことが結果的に依存症を助長してしまう言動のことです。家族は依存症者を助けたいと思うことは自然なことです。しかし、助長していたことを知ることで踏みとどまって考えることができるのではないでしょうか。境界線を意識することでサポートの方法は変化してきます。サポートは本人の気持ちも大切にしながら、家族の思いだけでやらないことが変化を起こす大きなターニングポイントになるようです。さらに家族が目指す本人との関係性として、本人の自律的な考え方を強化することです。薬物使用につながる行動は答えないなどし、薬物なしでやっていこうとする姿勢を応援することです。最後は本人を治療の場につなげること。これは家族が一番悩んで苦しんでいることだと思います。家族が本人をとても愛していて、治療や回復のために協力を惜しまないことをしっかり伝えることが大切です。

 近藤先生は長年、家族支援をされていて具体的な言葉で表現することなどをお話の中に盛り込んで、楽しく明るく伝えてくださいます。会場の仲間の質問にも丁寧に答えてくださいました。「良い回復支援者に必要なこと」として「落ち着き・自律・信頼・尊重・希望」が大切だと締めくくられました。

令和2年8月23日フォーラム

令和 2年 8 月 23 日(日)

第 4 回「薬物依存症者と家族フォーラム」                  

●基調講演/ 奈良県立医科大学精神医療センター 長 徹二 先生        ●テーマ/ 『アルコール・薬物問題を抱える人のご家族が、ご自身の回復のために』〜Withコロナ、生きづらさをプラスに変よう!〜

今回の基調講演は薬物・アルコール依存症の臨床の治療現場で長年、当事者、家族に寄り添い、回復支援していただいている、一般社団法人信貴山病院ハートランドしぎさん臨床教育センター長の長徹二先生による『アルコール・薬物問題を抱える人のご家族が、ご自身の回復のために』をテーマに、奈良県からオンラインにて講演していただきました。Withコロナの時代に依存症者や家族にとって、いつもより増して生きづらさを抱え孤立し、悪循環に陥りやすい状態です。こうした困難な中で『生きづらさをどう変えていくか』、依存症からの回復のために、サポート・支援のあり方、家族の対応などをご講演いただきました。 今回はじめてZOOMオンラインで先生と会場とリモート参加者と繋ながり、新しい回復の場が広がりました。

●アンケートから参加者の声を紹介します。

家族

・初めてのリモートフォーラムは、世話役の皆様の協力のもと、とても良かったと思います!長先生のお話は、家族に寄り添って下さる内容で、心が暖まる言葉がたくさんありました。特に印象に残ったのは家族も本音を話せる関係性が大事だと言う事でした。改めて家族会の存在は病院では出来ない役割があると実感しました。自分の経験を話す事によって救われる人がいるのは、嬉しいです。

 ・印象に残った言葉 *かしゅまたせ *「怒っている人は困っている人」 *両価性 *ハーム・リダクション。息の長い支援の為に、家族だけでも楽になる事、家族が健康である事、まずは自分のケアと言われて、肩の荷が軽くなりました。

・怒りの感情をぶつけてくる人の方が当事者の回復は早い。家族も本人も安心、安全な居場所が大切・家族が元気になって、自分にごほうびをあげること

・両価性を理解して親は見守るように努力しても、親も両価性を同じように持っているから、いい親を演じていると疲れるので家族会など安心できる場所で本音を話し自分自身のケアが必要。・・・・今、家族会はどうでしょうか。考えさせられる。

・家族対応で、『か、しゅ、ま、た、せ』は、直ぐにできるものではないが、大変参考になりました。自分の意見を前面にださぬように、自然に会話出来るように、癖をつけていきたいです。一般診療では、中々教えてくれない事、ストレートに聴かせていただき、ありがたいです。

・「か・しゅ・ま・た・せ」は以前も学ばせて頂いていたのですが、長先生は”なかなか難しいよ””すぐ使えなくてもよい””勉強としては、このような言い方となる”などおっしゃってくださったので、とても救われた気持ちになりました。余裕があれば違う立場で聴いてみて、と研修がスタートしたことは、新しい視点で内容を拝聴することができ、改めて相手の立場になる重要性に気付かされました。

・スライドがわかりやすく、イラストも可愛くスッと入ってきましたが、中でも(相手との間に)川が流れているイラストと、シーソーのイラストが印象的で、今後も思い出せると思います。

・コロナがまだ解決されていない中での講演会でしたので、出産した娘や新生児のお世話や家族の介護を考え、今回の講演は諦めていましたが、事前の準備をして頂いたおかげで、リモートに参加できました。久々の家族会のメンバーの顔、会場の様子を少し見ることができました。長先生の質問、一つ一つを真剣に向き合って答えていたからでしょうか?アッと間に時間が過ぎました。学べば学ぶ程、私の声かけの仕方の悪さを思い知らされました。相手を変えるのではなく、自分を振り返り、前を見据え、学び続けたいと、強く感じました。

行政関係

・同じ景色を見たいです。家族、本人、支援者どの立場でも聞きやすい講義でした。

・オンライン講演会が想像よりもスムーズに進行できていて感動しました。今日は貴重な講義の機会をありがとうございました。

・コミュニケーションの改善について「難しいから2年くらいかけてできるようになると良いかな」と仰っていて、無理に身に着けようとしないように。今一番大切なことはシンプルにご家族に伝えられるようになりたいと思いました。

・一対多でなく、個対個対個的な参加方法で、一人ひとりが参加(フリップ)している感があって良かった。

・色々な立場から考えることの難しさと大切さを感じました。具体的な事例をたくさん示して考える問いかけが多く、とてもわかりやすかったですし、考えるきっかけになりました。

・印象に残ったことは、「生きるために使わざるを得なかった面を理解した上で、本音を表現してもらうためにも安心・安全を提供することが大切」「家族の支援も安心・安全が大事で、家族だけでも楽になるということも大事」。

医療関係・一般・その他

・皆様の姿や表情を観ることが出来て、苦しんでいるのは自分ひとりだけではないと心強くまた温かい気持ちになり元気をいただけました。zoomフォーラムにしていただいたので、仕事をしながらも参加出来ました。企画いただきましてありがとうございました。

・依存症者が上手に頼んできたときの、返す言葉が印象に残った。上手に切り抜ける言葉を考えていきたい。返す言葉の大切さをつくづく感じる。実生活で生かしていきたい。

・患者に対する治療の一般的な方法・方針とそれぞれに異なる患者や患者を取り巻く環境の個別性をどのように調整・適合させていくのか、課題があるように感じました。

今後、より良い活動を行っていくために

・新型コロナウィルス流行に伴い集会スタイルの講演が難しい中、オンラインの開催も新形式でとてもよかったです。

・オンラインでの講演会はとてもよかったです。講演会の内容は見たくても、小さい子供もいて、休日に家を明けることも負担が大きく、毎回参加することはできなかったので、とてもありがたかったです。

・91歳を介護しているので、自分がコロナにかかる事は何としても避けたい今です。 長先生の講演は長い間楽しみに待っていたので、zoomで参加出来て本当に嬉しかったです。zoomリモート講演実現の為に尽力してくださった世話役の皆さんに心から感謝申し上げます。 コロナが収束するまでの間、また、是非、是非、リモート講演をやってください。ありがとうございました。

・本音で話せる場であり続ける、生きやすさを分かち合える仲間が大切だと、強く思いました

・横浜ひまわり家族会のフォーラムでは、当事者及び家族の方の生のお話や第一線の先生のお話が伺えて、気持ちの引き締めや知識のアップデートができ、とても勉強になります。 ありがとうございます。 コロナ禍で会場に集まれない中、zoom開催されたことに感謝です。

・長先生は講演中、何度も「家族は簡単にできないとおっしゃっていました。」この様に家族の気持ちがわかる先生のお話は何度も聞きたいとおもいます。

・オンラインで参加よかったです。奈良から長徹二先生の参加、横浜、川崎、新潟、千葉、湘南、沢山来られて良かった。移動が無くて楽、安心して参加、実物が見られなくて残念、繋げない方々のフォローを考え欲しい

・直接会って話すという、リアルな繋がりも大切にできたらと思いました。

・コロナでこのような形になってしまったけど、やはりフォーラムは会場で家族と直接見て、聞きたいですね!私達家族は直接会って、体験談を聞きこれからの生活に生かしていきたい。

・コロナ禍で不安が渦巻く時に、オンライン講演、リモート受講が出来ましたこと本当に有難うございました。開催日を迎えるに当たり、世話役さんの、ご努力に感謝申し上げます。「IT」の応用、活用で高齢者は「夢の国」です。コロナのおかげで、世の中が進化しています。コロナは「憎いです」が「進化は歓迎です」長先生の、テンポの良い講演を聞き、数年まえと変わりがなく又講演中にテスト驚きました。全て成功です。感謝、有難う。 

令和2年1月25日(土) 家族研修会

講師:神奈川県立精神医療センター 福祉医療相談科
精神保健福祉士 井上 恭子 氏 
薬物依存症者への対応 〜CRAFTを取り入れて〜

  今回は、神奈川県立精神医療センターの福祉医療相談科・精神保健福祉士の井上恭子氏をお招きして研修会を開きました。現在の神奈川県立精神医療センターの未受診電話相談件数は1年間に800件を超えているそうです。家族からの相談が350件ほど、本人からは280件ほどです。
 
今回はCRAFTという認知行動療法に基づいた技法をうまく取り入れて薬物依存症者本人を治療につなげていくことに焦点を当てたお話が中心でした。本人の内なる動機をつけるための技法です。

ポイント1として、目標を設定します。
ポイント2は間違い指摘反射を封印すること。間違いを指摘されると怒りや防衛の気持ちが働き心を閉ざしてしまいます。童話の「北風と太陽」に通じる考え方をすると有効です。
ポイント3はアドバイスしたいときは本人の許可を取ってから話すこと。本人が拒否するなら無理して話さないことです。
ポイント4は共感です。ここでいう共感とは、受け入れることです。同じ気持ちになる必要はありません。
ポイント5は褒めること。具体的に・4すぐに・上から目線でなくなど。これからも続けてほしい行動に対して是認の言葉をかけるとよいそうです。
ポイント6は本人の関心がどこに向いているのか時々観察し、本人の気持ちに添うことです。

 家族のなかのコミュニケーションを変えていくことも大きな変化を呼び起こします。「私」を主語にして話す練習をするといいですね。簡潔に肯定的な言い方をすることが大切です。また、あいまいな言い方をせず、具体的な行動に言及すること・感情に名前を付けて自分を分析できること・感情を整理すること・責任の一部を引き受けることなど留意する話し方がたくさんあります。
暴力がある場合は本人だけの問題で、家族に責任はありません。暴力のサインに気づき、静かに立ち去るか話題を切る、警察を呼ぶなどの対応をするようにしましょうということでした。

家族が陥りやすい行動として、小言・説教・懇願などがあります。どれも本人にとっては自分に対する不平不満と取り、また怒っていてもまだ相手にしてくれていると思います。世話を焼くことも誰かが何とかしてくれると思い、責任を自分で取ろうとしなくなります。世話を焼きたくなった時がチャンスです。やめること・・・これが本人の行動に変化をもたらす場合があります。実行しない脅しもやめること。効果がないばかりか、どんどん本人の要求が大きくなります。
依存症に向き合うのは家族も疲弊します。どうにもならない状況を変えようとすればするほど泥沼に入ります。対応を学んで自分の生活を取り戻すこと。これがのちに依存症の問題に上手に対応できるようになる鍵です。

依存症は再発しやすい病気です。本人の様子に一喜一憂せずに、家族は勉強し続けることが重要だということでした。

井上先生には個別の質問にも丁寧に答えていただきました。手を出しすぎず、見守るしかないこともあるけれど、少しずつ何かが変化していくように思います。

まさに「平安の祈り」です。

11月24日(日)家族研修会

 「保護観察における薬物事犯者の処遇について」 横浜保護観察所  統括保護観察官 中野智之氏

 今回は横浜保護観察所の統括保護観察官の仲野氏をお招きして、「保護観察における薬物事犯者の処遇について」というテーマでお話をしていただきました。

 更生保護とは「犯罪をした者及び非行のある少年に対し、社会内において適切な処遇を行うことにより、再び犯罪をすることを防ぎ、またはその非行をなくし、これらの者が善良な社会の一員として自立し、改善更生することを助けるとともに(中略)犯罪予防の活動の促進等を行い、もって、社会を保護し個人及び公共の福祉を増進することを目的とする。(更生保護法第1条)」を基本としています。犯罪をした人や非行のある少年が健全な社会の一員として更生するように、実社会の中で保護観察官と保護司が協働して指導監督・補導援護を行う制度です。保護司はボランティアで、無給ですが、犯罪や非行をした人たちの立ち直りを地域で支える大きな役割を果たしています。法務大臣から委嘱された保護司は保護観察官に協力して保護観察・生活環境の調整・犯罪棒の活動などを行っています。

 保護観察を通じて犯罪をした人たちに得てほしいのは、

・悩みや課題を話し合うことのできる関係作り

・自分が大切に思われる経験

・問題の解決方法に関する知恵の習得などで、生きづらさが和らぐようになる方法を知っていくことだそうです。

地域に密着した人間味のある処遇を目指しているとのことでした。

薬物事犯は再犯率が高く、保護司もどうしたらよいのか難しいようです。

薬物事犯に特化した保護司が存在するわけではないのです。専門的な保護司を養成する制度はない状態です。

 保護司になるための要件や、地域を超えて保護司活動ができるのかなど会場からの質問にも丁寧に答えていただきました。また、保護観察所で薬物事犯者の依存症の認識については、特に判断はしていないそうです。薬物事犯者には回復プログラムを受けてもらい、継続的に支援していきたいとのことでしたが、プログラム終了後はNAなど自助グループにつながるほか、支援がない状況です。

 刑の一部執行猶予制度ができ、刑罰から治療へと制度は少しずつ変わってきましたが、犯罪者ではなく病者としての医療・福祉の支援がつながっておらず、地域の受け皿がもっと充実させ、生きづらさを軽減する切れ目のないサポートを望みます。

10月26日(土)「秋の市民公開講座」

 映画「まっ白の闇」上映会 トークセッション/内谷正文監督・渡邉厚司先生

市民講座の2回目、薬物依存症と家族をテーマにした映画「まっ白の闇」を上映しました。その映画の監督であり俳優、自らも薬物使用、そして実弟の薬物依存症に向き合ってきたという内谷氏と、前回に引き続きマロニエ医療福祉専門学校医療学部学科長の渡邊先生に来ていただきました。  映画「まっ白の闇」は兄の勧めで薬物と出会い、知らず知らずのうちに薬物依存症になっていった弟と家族のストーリーです。どんどん薬物にのめりこんでいく主人公。周りの人を遠ざけて孤独になっていく様子。どうにもならない感情の爆発、家族との葛藤、犯人捜し、否認、壊れていく当事者と家族関係。薬物依存症に向き合ってきた家族なら、思い当たる場面があったと思います。家族会につながることで何かが変化する過程。本人に対してできることは何もないと認められるまでの葛藤。「無力」を自覚するときの覚悟。いろいろな思いが胸をよぎりました。 「回復」があることを信じられるまでの心の揺れを仲間に助けてもらいながら、ゆっくりと変化していく家族。そして本人にも居場所があり、仲間とともに歩き回復していける。山あり谷ありの回復への道、順風満帆ではないけれど待つしかないと腹をくくって、たくさんの家族が前に進もうとしています。  「薬物依存症」を社会に伝えていくために、映画を観て「何かを感じてもらいたい」という内谷監督の思いを横浜ひまわり家族会として発信する機会となりました。 後半は内谷監督と渡辺先生のトークセッションでした。 内谷監督は、弟さんに対して「クスリに巻き込んでごめん。助けたかった。でも方法も分からずただ薬物の使用を認めさせたいだけだった。」と話されました。「自分が苦しいのが嫌だった。弟よりも自分が大事だった。」「弟と自分は別だと分けて考えることを学んだ。」「家族会のミーティングは自分をさらけ出し、楽になれる場所。話すことで楽になれる。仲間ができる。」など、大切なメッセージを込めて映画を撮ったとも話されていました。 本人の回復と家族の回復は呼応していくもので家族も自分自身と向き合い始めると本人の様子も変わっていきます。 参加された保護司の方は、ご自分がかかわっている薬物事案の方の保護者にも観てほしいとおっしゃっていました。 弟さんは「真面目に生きることがどういうことか学んでこなかった。正直がどんな意味かわからなかった。それでも自分で考えて見つけていった。」といいます。 渡邊先生は、私たち日本の文化は掟にとらわれて、「しんどい、つらい」と言ってはいけない呪いをかけられてきたと表現されました。負の感情が内面化して話す経験が欠落してしまうとも。負の感情をはぐくむ場所があることが生きづらさの軽減につながるのではないでしょうか。 内谷監督は、「戦うより受け入れること。」が大切だとも話されていました。