5月9日(土)横浜ひまわり家族会 研修会

講師:NPO法人八王子ダルク家族支援事業SMILE、国立精神・神経医療研究センター
近藤あゆみ先生

テーマ:「非暴力的コミュニケーション〜Nonviolent Communication」(NVC)

今回の研修会は、近藤あゆみ先生をお招きしてお話を伺いました。
先生は5年前大病を患い、自分がたくさんの人に支えられている事に気づき、病気で療養の間、時間がゆっくりと流れたそうです。それにより、それまで忙しく自分の行動の向きを考える間もなく働いてきたこと、自分は何を大事にして一生を終えたいか。。と考えたそうです。そしてそれは、人とのつながりを理解し、理解されること、つまり安心、安全を感じられる生き方をしたいと思ったそうです。

いままでのスキルとしてのコミュニケーション術ではなくて、もっと奥深いその部分を知りたいと思い、マーシャル・ローゼンバーグが創始者である「NVC」を勉強していったとのことでした。

・自分が求めるものは思いやりであり、自分と人が心の底から与え合い、気持ちを通わせること
・相手を評価したり決めつけるのではなく、自分が抱いている感情と自分が必要としていることに耳を傾ける
と、マーシャル・ローゼンバーグはいっています。

①自分の感情に目を向ける
私は何を必要としているのか、相手は何を必要としているのか、それが分からないと心を通わせることはできない
②心理的境界線の維持とそれを維持しながら心を通わせること
③ニーズを知る
ニーズとはその人が大切にしている価値観です。それが認知され満たされたときにポジティブな感情が、逆に認知されず満たされなかったときに、ネガティブな感情が生まれます。
④自分の感情、相手の感情
ニーズが満たされたとき、満たされない時(犯された時)、それぞれの感情が生まれ、そのニーズにめをむけることが、必要です。
つまり、感情とはこのニーズを教えてくれるものてす。例えば「ムカついた」という感情が生まれたときは、その瞬間、大切にしていたその人のニーズが認められず犯されたと、理解します。そのニーズを満たすためにやれることがあり、感情の見方も変わってきます。

基本的な話のあと、ひまわり家族会のメンバーの事例をあげて、ワークをしました。

1.深呼吸して、目を閉じて
2.自分を責めず
3.自分の心と身体に目を向け
「私は悲しい。なぜなら私の大切にしている◯◯が、満たされず悲しいんだ」とちゃんと悲しみます。
(自己共感)
その時相手はどうだったかな。。と考えます。
(他者共感)
そして、自己を表現し、対話、繋がり、理解へを導かれます。

自分で自分の感情をわかってあげることが、他者を感情を想像し、理解していくことになります。ーーーーーーーーーーーーーーーー
自分の感情がなぜこうなのか。。。それは何がみたされたからか、何が犯されたからなのか。。。という考え方をしたことがなかったので、とても面白い話を聞けたと思いました。あゆみ先生の研修は、その日から、私たち家族が何かをできる内容だと思います。私たち依存症の家族たちはいつも不安や苦しみなど、ネガティブな感情に支配されます。その感情に飲み込まれることなく、幸福感も感じながら生きていきたいものです

4月25日(土) 横浜ひまわり家族会研修会

講師 相模原ダルク 代表理事 田中秀泰氏
スタッフ コマさん

4月の研修会は、相模原ダルクの田中様とスタッフコマさんにお話していただきました。全国のダルクそれぞれに特徴がありますが、相模原の特徴をまじえて、家族のありかたなどをおはなしくださいました。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
✩田中さんのお話
相模原ダルクは、13年前に田中さん、ほか3名で開設しました。この間出入りはありましたが、450人の依存症者たちに手を差し伸べてきました。その中で、卒業者の弾薬率は、90%と高い数字になっています。
@相模原ダルクの特徴
①「24時間の見守り、共に過ごす」
初期段階で入る寮は、共同生活です。買い物も1人では行かせないといいます。常に誰かといる安心感が大切ということです。
②社会に出てからもフォローする手厚さ
卒業したら、はい終わりではないということです。声かけや、ミーティング等、卒業してからも共に生きていきます。
③家族会
本人の回復と同じように大切なのが、家族の回復です。入寮している家族もいればしていない家族もいます。ダルクが運営する形で、会の前半は講師による勉強、後半は家族でのミーティング。
家族は、正しい知識と気持ちを楽にしていくことが大切です。
④教育
第1次予防
学校教育がこれにあたります。やってしまったらやめられなくなる人がいること、相談先があることを、学校に出向いてお話しています。
第2次予防
早期発見、早期治療です。ダルクへの通所による介入がこれにあたります。
第3次予防
全寮制のダルクへの入所となり、ここでは色々な方面から回復に向けて一緒に歩んていきます。
@家族にできること
家族は巻き込まれず、やってあげないこと、本人が自分で理解できるようにすることが大切です。
(突き放し、知識の習得)

@「突き放し」について
昔のように、たんに突き放すだけではだめです。家族は「この人なら任せられる。この人とともに一緒にやっていく」と、信じられる人を見つけ、その人と連携して、その時を待つことです。きちんと準備をすること。ダルクの職員などとあらかじめ相談しておき、いざ、本人に助けが必要となったときに、直接的にダルクに介入してもらい、家族は少し離れて見守ることが大事です。本人のために「きちんと突き放してあげること」が大切になります。

@失敗とは。。。
ダルクの中で失敗していいのです。

@相模原ダルクの寮について
先にお話したように、初期段階では共同生活の全寮制の寮に入ります。その中で過ごす本人のすがたを見て、スタッフ達が、相談して、次の寮への移動を提案し移動していきます。
初期段階ではあくまでよりそってもらい、社会生活に戻れるように少しずついろんなこと(スマホなど)が許されていきます。

@ステップ制度
いつになったら〜できるのか。。。と不安なままの生活ではなく、相模原では、ステップ制度で明確にその位置を決めており、自分が世話をしてもらうところから、やがて世話をする立場になり、さらにはグループや寮を任せられるようになっていきます。個室、スマホなども持てるようになります。。

@PAWS(ポーズ)を理解する
薬を止めてから出てくる症状。うつ、怒る、不眠、イライラなど。。。
これは薬をやめたからこそ出る症状である事を、それぞれが理解することにより、その症状で苦しんでいる仲間を見守り、共に生きていくことができるようになります。

✩スタッフ、コマさんのお話

少年時代からスポーツ、勉学と頑張ってきたコマさんは10歳の頃から強迫性障害に、悩んできました。家族にも言えず多感な小、中学校時代に苦しみました。
高校に、進む中、野球部員としても頑張りました。お話を聞いていると、常に頑張っていたんだなぁと言う印象を持ちました。大学生の時、クリニックに受診しお薬をもらうようになり、少し落ち着いてきました。
その後就職先でも頑張り続けます。早期に昇進し、頑張り続けた糸が切れてしまいます。上司に強要されて不正経理もやり、不安のなかアルコールがそれを助けてくれるとえる日を迎えました。あとはウソ、お金の使い込み、飲酒運転と、お決まりコース。たくさんの失敗をして、苦しいけど離婚、そして退職を決め、相模原ダルクに繋がり、今はスタッフをやっています。
頑張りやすい人、優しい人が依存症になる。。という話を、私たち家族はよく聞きます。コマさんもきっとそんな頑張り屋さん、そして優しい人なんだろうと思いました。心に響くお話でした。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

お二人の話を通して、家族がやるべきこと、そして相模原ダルクの様々な特徴を学びました。また依存症はだらしない人や、意志の弱い人がなるわけではない。。。ということも再認識しました。
ありがとうごさいました

3月21日 ひまわり家族会研修会

講師:栄区生活支援課長 新海隆生氏
テーマ:横浜市の依存症支援について
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
依存症は、まずその回復を優先とすることとされています。その人々の生活を保つために大切な「生活保護制度」。今回は新海さまにその制度と支援について教えていただきました。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
生活保護は、人が生きていくときに、最低限の生活の基準に足りないときに、その部分をだしてくれるものです。本人の申請によって、得られるもので、国民にとっては権利となります。その一方で義務もあります。例えば病気についての申告や、生活の向上につとめる。。などです。
本人の申請により、すすめられる手続きのなかで、役所としては「公平性」の基盤の中、調査へと進んでいきます。
さて、「自立」というのはどういうことでしょうか。
いま依存症の他にも社会的に問題となっている「ひきこもり」も、かつては「自分勝手な!」「なまけもの!!」などと言われていました。
今はまず、どうやったら外に出ていけるのか。。。から考えなければならないとなっています。
自立はそれぞれその人が、『安心して、能力を生かして、幸せに生きる』ことなのです。自分ではまだ生活を成り立たすことのできない人たちに、その基盤となれるように、生活保護費が支給されることとなります。
社会の中で生活できなくなった人は社会の中で助けて何とかしていこうという考え方です。また、生活保護制度のほかにも、生活困窮者支援制度や、就労支援の制度もあります。経済的にこまったら、まずは相談しましょう。

Q&A

①ダルクに入所の場合、生活保護の相談先は、住所のある役所か、ダルクの所在地の役所か?
A:入所しているダルクが、福祉サービス(グループホーム)の指定を受けているかによる。まずは相談者近くの役所に相談してみると良い。

②本人が手続きできないときは?
A:親でよい。本人の書類などは後日でいいので、まずは申請をすること。その際に持ち物などは役所に確認するとよい。

③高校生、ダルクに通所しているが、使えるサービスはあるか?
A:障害福祉サービス。依存症のことについて、精神科受診し、診断書をかいてもらうことが必要。

④タルクを卒業した人の支援制度
A:その人その人によって必要な制度が違う。賃貸物件を探すときに、敷金や礼金が必要な人、保証金や、火災保険料はどうするのか。。。
また家賃滞納による退去がないように代理支給といって、生活保護費の中から、大家さんに保護費の中から、家賃をまず払う、ということもできる。

⑤身体的に申請しに役所にいけない人は?
A:サポートをつけて申請しに来ることもできる。民生委員や、信頼できる人など。民間サポートもあるが、善意の人だけではないというのも現実。気をつけてほしい。

⑥教師の立場から。。。どの家庭が生活保護なのか、教師にもわからない。進学支援相談の時に、比較的学力に左右されないサポート校を選んだ家庭が、生活困窮家庭であった。サポート校は援助が受けられない。各家庭にそういった情報をきちんと伝えてほしい。

まとめ。。

生活保護は、本人の生活をほしょうするもの。それが必要なくなったら、自立していけばよいこと。逆に、その制度が必要な人へは、支援を辞退させないように取り組み、援助をしていく必要があると考えます。。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
依存症者は借金、働けないなど、回復の途上や、回復してからもお金の問題は尽きず、回復はし続けていかなくてはなりません。そして、私たち家族はその部分においては直接助けることはできません。生活を保障してくれる経済的支援の制度を、私たち家族も理解していくことはとても大切なことだと思いました。
なかなか理解しにくい制度のお話を分かりやすく説明してくださいました。

ありがとうございました。

第11回「薬物依存症者と家族 オープンセミナー」

基調講演:信田さよ子先生
原宿カウンセリングセンター 顧問
日本公認心理師協会 会長

今回のオープンセミナーでは、「依存症と家族〜その対応をめぐって〜」というテーマで信田さよ子先生に講演していただきました。現状での家族の困りごとに焦点を当て、私たち家族にとって、心強くあたたかい、そしてユーモア交えた素敵なお話をたくさんしてくださいました。

<まずは家族の体験談>

◆横浜ひまわり家族会 じゅんこ

12年前にこのひまわり家族会に繋がり、たくさんの仲間の話を聞いたり勉強させていただくなかで、自分自身がこの2〜3年、とても心が軽くなってると感じています。自分に向き合うことを学び、その行動や思考を少しずつ変えていこうとするうちに心が軽くなったと思います。そのきっかけを3つお話します。
 息子が数々の問題を起こし施設につながり、半年経った頃、本人と話す機会かありました。私たち夫婦は、息子に会える喜びでいっぱいでした。久しぶりに見る息子は、少し恥ずかしそうにしていましたが、プログラムに真剣に取り組んでいると聞き、嬉しかったです。ところが施設長が席を外し、私たち家族だけになると、息子は元のきつい顔に戻り、勝手なことを言ってきました。私はその時に、自分は何をやっていたのかと感じました。息子がプログラムに取り組めばいいとたけ思っていた自分に気づきました。私は私のことをしなければという考えが固まった1つ目の出来事です。
さらに1年数ヶ月経ち、息子は施設を卒業しました。施設内にいるときの安堵感が一気に崩れ、不安な気持ちがあふれました。その頃、NAの大きな会場で、一般社会のなかでプログラムを使って生きる話を、依存症本人のお話として聞くことができました。これが、2つ目の私の気づきでした。
 その後息子は社会生活のなかで自立をしていきます。
生きていると私たち家族にもいろんな問題が起きてきます。認知症の母への対応、癌が発覚した父への介護、看取り。これが私の3つ目の大きな気づきとなります。
私は「人にお願いして頼む」「助けてほしいと言う」ということを実践することにより、心穏やかに、両親を見送ることができました。
自分を見失わないこと、焦らず一つずつ解決していく、という方法を、依存症の勉強を通して学び、自分の生活のなかで活かせることができるようになりました。
今私は、自分の人生を楽に過ごし、楽しめていると思います。そして点検も怠らないことが大切です。
そのためには家族会がとても大事な私の居場所です。たくさんの仲間、そしてダルクスタッフさんには感謝しています。これからもよろしくお願いします。

<続いて、当事者体験談>

◆横浜ダルクスタッフ ヤスさん

両親が離婚し、自分にはあまり干渉しない、自由な父親との暮らしのなかで、専門学校に進学しますが、薬が始まりました。しかし何とかうまく使えていました。お金がなくなりギャンブルに手を出して借金を抱えますが、そのときはギャンブルのみの問題と思っていたお母様が返済してくれました。その時の気持ちは、「ありがとう、これでまた薬がかえる。。。」

 その後29歳で薬物での逮捕。母親に対して「お前に何が分かるんだ!」という思いの中、執行猶予で実家(母の元)に戻るようになりました。関係性もコミニュケーションもうまく取れない中、32歳の時薬物で再逮捕されます。
その頃からお母様はひまわり家族会に繋がり勉強をしていきました。ヤスさんに対する言動、行動ぎ変わっていくのを感じたそうです。はじめはそんなことは受け入れられなかったヤスさんですが、仮出所のためだけに通所するということになり、ダルクとつながり始めました。
 気持ちは受け入れられずにいやいや過ごしていましたが、サーフィンに誘われたことをきっかけに、少しずつその場に馴染んでいきました。
ヤスさんは入寮せずに、通所で回復し続け、いまはスタッフとしてたくさんの仲間を助けています。
しかし、いまでも家族内では、感情のもやもやがあるとのことでした。コミニュケーション不足を解消して自分の自信を取り戻し、今後も生活していきたいとおっしゃっていました。

<基調講演>

◆信田さよ子先生

信田先生は病院、保健所のご経験を経て、1995年に原宿カウンセリングセンターを設立し、現在は顧問として多くの相談に乗ってくださっています。また多くの著書もあります。
長年にわたる依存症、暴力などの家族問題にかかわってきた体験から、本人と家族の関係、又、50年もの間様々な理論が取り入れられてきた、家族の対応の仕方について、その返還をお話しくださいました。
かつて依存症は中毒と言われ、とくにアルコールに問題がある夫を持つ奥さんの苦労というものが多く語られる時代でした。

その家族たちは、そのアルコールで起こる問題が「依存症」という「病気」で引き起こされるもので、「病気なら治療できる」と思い、希望を見いだしました。家族にとっては「病気」と名前をつけることに、意味のあることだったのです。
「病気」とすることで、意志の問題という個人の責任をなくし、回復という言葉を使っていくことになります。これは、日本なりの言葉を手探りして作ってきた言葉になります。
又、依存症に関わる様々な方法論が出てきました。
(クラフト、マインドフルネス、動機づけ面接)
2014年頃から現在は、スマホの普及によりスマホで何でもできるようになり、ゲーム、ネット依存、スポーツ賭博の問題が増大し、問題となっています。

また自己治療という視点からトラウマとアディクションとのつながりが注目されてきました。自助グループでの語りを起点に当事者研究とのつながりも注目されています。
ハームリダクション、オープンダイアローグなども、いわれてきていて、全体的に依存症の姿がかわりつつあります。

@アディクションアプローチの先進性

·本人より家族困っている人が対象→家族は本人か困るよりずっと前から困っている
·底をつかせることの問題性→死に直結することがある
ギャンブルの場合は底付きが借金であることが多いので、底付きも有効なこともある。
·ケアの有害性→援助は時として有害になる
·自助グループの力→本人たち主導、医療の限界、専門家の姿勢
@支配と共依存

依存症の中でよく言われる「共依存」は病気ではなく、支配の一つである。ケア(愛情)によって、相手を弱者化することによる支配(無自覚な善意)である

@KGグループ(共依存グループ)

先生が行っているグループで、子供に問題が生じて困っている母親のグループ。もともとは共依存の妻、母親を対象としていたが、今は子どもの問題への介入を目的にしたグループ。週一回、またオンラインもあり

問題のある子供を持つ母親は、
①世間から母親の育て方が悪いと言われ
②周りの親戚から、一族の恥と言われ
③夫から、妻の過保護が原因と言われ孤立無援状態
この母親たちのグループで、先生がファシリテーターとなり、放射線状態の関係性を基本とするグループ。

KGの基本知識

·アイメッセージのコツ。。。(松竹梅)
松。。。プラスの感情(嬉しい、楽しい、ホッとした)
竹。。。マイナスの感情(悲しい、不安だ、辛い、さみしい)
梅。。。意志、要求(〜と思う、〜してほしい)

その結果よい変化が起きたときはその理由を3つ考える

悪い変化が起きたときはその対応を考える
夫婦間での合意形成が重要な役割を果たすので、共同歩調を実現するように努力すること。
オンラインは距離があるため、「仲間意識」「連帯感」を、生むことへの抵抗がなくなり副作用が少ない

家族を援助することの意味

ファシリテーターが中心となり、個人を動かそうとせずキーパーソンの母親が変化を起こすことを理解すること、そして誰からも共感されない母親への敬意、共感をベースにする。
介入は生命危機を救うためのグループであるので、その一点において介入は許される

<Q&Aセッション>

登壇者:
・ファシリテーター:国立精神·神経医療センター 片山宗紀氏
・信田さよ子先生
・NPO法人横浜ダルク 施設長 山田貴志氏・スタッフ ヤスさん・スタッフ・純さん
・(一社)HOPE湘南ダルク代表 栗栖次郎氏

<Q1> 家族との関係と物質使用について家族が原因なのでしょうか?また関わり方で回復するのでしょうか?

・信田先生 … 家族が原因ではない。一方家族にしかできないことがある
・ヤスさん… 家族とのかかわりという点においては、いまの自分の子供との関わりを通すと、自分の幼少期は寂しかったと思う
・栗栖… 家族が要因となることもあるのではないか。自分は20年クリーンの中で、薬物依存症者になったことの原因を探してきた。今は「そのように生まれた」とおもっている。自分の家庭は虐待、暴力があった。
・純さん… 幼少期の影響としては親に捨てられたという思いと、預けられた親戚からの心ない言葉から、居場所がなくなり、不良グループが害場所になっていった。

・山田さん… 実際の日々のダルクへの相談者の中で、夫婦間で相談できているのは1割ほど。家族。。特に父と母のあいだで向き合うことができるように、今後も提案できるよう取り組んでいきたい。

・信田先生… 因果関係は考えないほうがいい。できることを探していく。原因、結果というような言葉を使わない。

<Q2> OD(オーバードース)している子供との付き合い方、子供のともだちもしている。

・信田先生… オーバードースしているあなたが心配、相談しようということを伝える。
・栗栖さん… 友達もやっていることについては、まずはそのことを話せるようにサポートしてもらえるところを提案する。施設では、環境を変える、新しいことをみんなで始めるなどで、やめるきっかけを作っている。

<Q3> 一人で子どもの問題を抱えている母親のしんどさを、夫にどうやってつたえていったらいいのか(スクールカウンセラーからの立場で母親の心配をしている状況)

伝えかたは難しいが、アイメッセージでつたえていく、相手がすぐにはわかってくれないかもしれないが伝えていくことが大切

夫婦間では、あなたの問題、私の問題とわけなくていい。理解するかしないかは別として「聴覚」としては残っていく。

・ヤスさん… 第三者を挟んで伝えていく

<Q4> 特別支援学校教員の立場で、娘さんが母親に対して暴力を振るう。父は関心なく介入してこない。母親にしてあげられる援助はあるか?

・信田先生… 暴力からは逃げること、暴力は受けないこと、それ以上のことは難しい。その母親が教員に頼るという関係性はよいこと

<Q5> 家族内に薬物依存症者(今は回復)がいる。子どもへの伝え方、ケアは?

・栗栖さん… ありのままを伝えている。また自分の特性は、影響はゼロとはいえないので、子どもたちには自覚し、注意して生きるようというところまで話している
・ヤスさん… まだ話していない。年齢的なことを考えまた伝え方も考えていきたい
・山田さん… 子どもに話している。当事者間の結婚で、お互い壊し合うような作業をしてしまうこともある。気づいて成長していきたい
・信田先生… いつ話すか、時期は難しい。一概に言えないが、「病気」を、継続治療していることを伝える。

<Q6> ミーティングにアルコールで酔ってきてしまった人への対応は?

(支援者の方へ)

・栗栖さん… ほどよく迎え入れる、個別対応
・ヤスさん… 仲間の影響を考える、仲間の仲で話せるようなら話してもらうが、無理なら個別対応
・純さん… 個別対応。またはシラフにったら話そうねと言う
・山田さん… 暴言がひどければ帰ってもらうような動きをする
酔っている人を見ると、仲間が崩れてしまう危険があることは忘れずに対応する。

<Q7> 訪問看護ステーションの方より

若年者のオーバードースに対して、代替方法はありますか?また周囲の関わり方が分からない
(援助職は見守る、家族は辛い)
・信田先生… 本人を肯定してあげる。その薬はどういうもの?どんな事がいいの?などを聞いてみる。代替作業は先の話。どうやったら援助者との関係をつくれるかを考える。

・最後に信田先生より……支援者のリスクについて。

どこまで言っていいのか、どこまでやったらいいのか、支援者は常に悩むところではありますが、私たちは保険点数が取れないなかで、この仕事をしています。介入には責任はつきものでありますが、そこを覚悟で介入しています。と、お話されていました。、これは私達家族にとっては、本当に心強いお言葉です。しかし一方で、このことをきちんと保険点数に乗せられる社会であってほしいと思います。

文面ではなかなかお伝えできないほどのたくさんのユーモアも交えて、また質疑応答も活発な、オープンセミナーとなりました。

家族の皆様が笑顔を取り戻せますように

2026年1月24日(土) 横浜ひまわり家族会研修会

講師 NPO法人アパリ理事長、国士舘大学法学部非常勤講師、条件反射制御法学会理事 尾田真言先生

講演テーマ 「薬物依存治療を拒否する本人に回復プログラムに取り組んでもらう方法」

私たち家族は、否認し続ける薬物依存症者本人が、回復の道のりにのるにはどうしたら良いのかと、常に悩んでいます。今回の研修会では、アパリで、司法サポートをされている尾田先生にお話を伺いました。
薬物使用の中で、それによる犯罪を犯し、捕まった時は、家族はショックを受けます。しかしその時こそが介入し、回復の道すじを見つけるチャンスです。仮釈放中から、プログラムに取り組むことは、裁判での一定評価にも繋がります。 薬物の種類により、幻覚、妄想の出方は違います。又、大麻使用者は、体に悪くないという意識が強い人が多いのですが、現実には身体への悪影響、幻覚が出るものと思っています。 1980年代の依存薬物は、シンナーが1位でした。今はほぼいないです。 また「死」に一番近い薬物は「ガス」です。 一時、突き放す、親が身を隠すなどの言葉がありましたが、「ガス」に関してはそれをしてしまうと「死」につながってしまうことも少なくないです。 やっていいこと悪いこと、家族は意識することが必要です。 又、借金については、専門家のアドバイスにより、色々な方法がありますのできちんと相談しましょう。

アパリでは数々の相談のほか、刑務所からの仮出所の際などに迎えに行くことを原則としています。またダルクの体験入寮の付き添いもします。これは「ここならいいかな」と本人に思ってもらうためです。 ダルクによりその特徴は違います。どこがその人にとって合っているか、幸せになれるかを考えています。 数々のダルクに移りゆく方もいますが、その様々な体験が回復の力になるとも思います。

<質問の中から>
◇「ミーティングの意味について」
1.人の話を聞くことにより、自分の問題の本質を知る
2.長年やめ続けているモデル(回復者)が近くにいることにより、回復とは何かを知るようになる
3.そして、回復のための行動ができるようになる
◇「重複障がいによる内服について」
本人が拒否しない限り、その薬は必要。内服していたということは、その薬が必要だから処方されていたということ。

アパリでの援助は、入り口支援の必要性を感じたお話でした。私たち家族にとっても、やるべきことのヒントがたくさん込まれていたと思います。
ありがとうございました。

2025年11月23日(土)横浜ひまわり家族会「秋の市民公開講座②」

講師:一般社団法人福祉コラボちむぐくる とちぎステップ家族相談室室長 渡邉厚司先生
テーマ:「このままじゃまずい、でも使いたい」と揺れる本人に、家族ができること
~「本人」から「当事者」への変化をサポートするために~

横浜ひまわり家族会としては毎年恒例となる渡邉厚司先生の研修会が開催された。
先生のユーモアを混じえた解りやすい講演は好評で、三連休の中日という日程であったが、外部からの参加を頂き依存症の理解を深める研修会ができました。 。

今回の研修は「アディクションとは何か」「アディクションを理解する」分析から、AAの成り立ちとそこから生まれた12ステップの考え方、アディクトと家族の関係性と家族の介入の考え方、重要性についての研修となり、これまでの十数年にわたる研修会の集大成のような広範囲にわたる研修会となった。

今回の研修会で特に記憶に残っていることを下記する。
(1) 依存症の本質は「快楽追及」ではなく、「心理的苦痛の減少・緩和」
心理的苦痛から逃れるための「嗜癖行動」が依存行動であり、当事者にとってのサバイバル・スキルである。
(2) 本人から当事者へ
本人=「問題を抱えている人」、当事者=「治療(ケア)の場に乗った人」であり、本人から当事者へ移行するために家族の介入(初期介入)が必要になる。
(3) 外在化、物語の書き換え
内在化(原因)の物語から、外在化(結果)の物語へ。
「自分との戦いの物語」から「自分を支配するモンスターとの戦いの物語」へ。
(4) アディクトへの支援(家族としての対応)
① 発見と初期介入、
② 状況を明確にする、
③ 暴力への対策、
④ コミュニケーションを変える、
⑤ 望ましい行動を増やす、
⑥ イネブリングをやめる、
⑦ 自分自身のケアを大切にする、
⑧ サポートを受けることを提案する。

アディクションは紀元前から数千年に渡って存在するのに対して、治療体としてはAA創生から百年に満たず、これからどんどん治療・回復へ道筋ができ、家族から不要な悲しみがなくなることを望む。

2025年10月11日(土)横浜ひまわり家族会 2025「秋の市民公開講座」

講師: 近藤あゆみ先生 (国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部NPO法人八王子ダルク家族支援事業SMILE)

講演テーマ:家族の傷つきと癒し〜内的家族システム(IFS)の再統合

今回の市民公開講座は、これまで、数々の研修をしていただいている近藤あゆみ先生にお願いしました。家族の依存症問題で、日々あたふたしている私達が、自分のことを見つめ、癒されていくようになる、自分を自分で癒せるようになるための、内的家族システム(IFS)の研修でした。 私達は、色々な場所で依存症についての勉強や分かち合いをしておます。しかし、前に進もうとするだけでは自分の傷ついた部分は良くなっていきません。自分に目を向け、自分のケアをていくことはとても大切なことになります。まず自分をいたわることができ、はじめて他の人への(家族への)支援の質が上がる。。。とのことでした。

①自分に気づく 自分の中にある、好きなところ、嫌いなところ、いろんな自分について考えてみましょう。体感、思考、感覚。。。多方面から自分を見つめてみます。素直に頭に、心に浮かんだものを書いてみました。この作業の中で好きな自分と嫌いな自分は相互しているということです。矛盾するような自分が、どちらも私の中にいるということ。その矛盾に気づくことが、このIFSの学びの中では必要なことだそうです。

②私のトラウマ 人は誰にも大小様々なトラウマを抱えています。 先生は依存症を回復させていくにはこのトラウマの治療が不可欠と思い、その支援をされていますが、家族のトラウマ(依存症にまつわるトラウマ、その人の幼少期からのトラウマ両方)に気づき、支援していくことに必要性を感じたそうです。 ここまでの話の中での質問かありました。
Q:本人はお前の(母親に対して)せいでこうなった。虐待された!といいます。母親は、そんなことをした覚えはないし、周りの人もそんなことはしていないのでは?という状況のなかで、これは認知の違いで虐待されたととらうまとしてのこっているのか。。そして事実を正すことができたなら、そのトラウマを克服したことになるのか。。という質問でした。
A: 親を責める依存症者は多い。親子関係には「相性」かまある。これは単に性格などで済まされるだけではなくそれぞれに特性があるので、そこから問題になってくる。 子供にADHD気質があった場合は、一から百まで話を聞いてほしいと話をしてくる。その親にADSの特性があった時、その親は話を聞こうとできず、この状態が子供にとっての虐待の認知になる。。 つまり、どちらも悪くないのに、うまくいかない親子になってしまう。子供にとっては「話を聞いてくれない親」になる。 この話はとても参考になります。
Q: 薬をやったのはお前のせいだ!望まれて生まれていない。かわいがってもらえなかった。でもかわいがってもらったことは分かってる。つらい思いを分かってくれない。と、言われてしまう
A: 多くの家族の中で起きている問題。親の期待をはねのけられない子ども、デリケートな子供に問題が起きやすい。しかし、親に文句を言えるというのは、いろんな自分が見えてきているということ。回復が進んでいるということ。しかし親子だけで解決するのは危険なのできちんとサポーターとともにやっていくことが大事。 これもどの家族にとっても心に残る答えだと思いました。

③薬物問題が引き起こす家族の心の傷 依存症本人が薬によって変わっていき、その姿を目にし続けたわたしたちはさらに社会の目を気にして生きてきました。わたしたち家族には心の傷があるのです。その傷をなかったことにせず、見つめようと思わないと、その傷は見えてこないということだそうです。 内的家族システム 人の心には複数の部分パーツがあり、核となるセルフというものがあります。一部のパーツは人との関わりによって生じた傷に対して、防衛的な役割を果たす この、防衛的なパーツと、傷ついたパーツ、両方のニーズに対応していくことで、内的システムの平和をもたらすという考えだそうです。 依存症の場合、このパーツが一部暴走した時、それはうまく働かなくなります。セルフはパーツをケアできなくなりその人の悪い状態(依存状態)となります。 このパーツの暴走には、トラウマが関係しているとのことです。大きすぎる、痛すぎる傷を舞うために起きる暴走てす。 このあと、それぞれ、書き出した自分の好きな自分嫌いな自分をパーツマップに書き写し、埋めてみました。自分のパーツの対話するときには、 @何かいいたいことはあるか? @そうしている理由は? @思いやりをもって共感して という気持ちではなすそうです。

2025年 8月23日フォーラム 第9回「薬物依存症と家族フォーラム」

基調講演 国立精神・神経医療研究センター 薬物依存研究部長 松本 俊彦先生

テーマ 「市販薬クライシス」の実態とわが国の薬物対策の課題

今回のフォーラムでは、いま社会問題となっている、市販薬の乱用オーバードーズ対策についての基調講演をはじめ、家族や当事者の体験談、又、活発なQ&Aセッションが行われました。今回は行政、学校関係、医療関係者なども多く246名の参加がありました。、若年層の依存症支援のあり方について多くの気づきが得られたフォーラムでした。

<まず家族の体験談>
横浜ひまわり家族会のひよりさんのお話でした。10年前から始まった娘さんの依存症、そしてその行動に巻き込まれていました。向精神薬の大量服用、アルコール、窃盗など様々な依存をかかえ、それに伴い摂食障害も併発しました。色々な事に巻き込まれ、その中でも娘さんから「お前のせいだ!」と罵られた日々も少なくなかったといいます。今はネット社会で、自分の苦しい依存症の症状をカメラに収め、配信していたそうです。自殺未遂を繰り返し、「おまえのせい!」と罵倒され、母としてどうしたら良いのか、何をしたらいいのかを模索しました。依存症の問題は、近所にしれたらどうしよう、周りに何か言われたらどうしようという気持ちで一杯になり、何度も自問自答しては、怖くてどんどん孤立します。そんななか、依存症についての勉強をはじめ、ひまわり家族会に繋がりました。そこで、「自分が元気でいることの大切さ」「私は私の人生を歩む」ということを理解し実践していくようになったと言います。この奥深い依存症という病は、本人も家族も一人では乗り越えることが難しいとわかったそうです。今後も、わが子が生きていることの幸せを感じ回復を願って家族会の仲間と学んでいきたい。という言葉でしめくくっていただきました。

<次は当事者体験談>
横浜ダルクスタッフのソウさんのお話でした。ソウさんは職員として10年仲間とともに過ごしています。ダルクという家族の中で自分が支えてもらいながら、仲間の回復の手助けをしていると言っていました。学校になじめず、反抗期も手伝って、居場所がないと強く感じ、不良となり、16歳で薬物を使うようになりました。その後17歳で覚醒剤も使うようになります。はじめはうまく使えていたものの、気づけば何度も警察沙汰、精神病院への入退院の繰り返し。なかなか自分は回復の道にはのれなかったと言っていました。ところが家族は家族会につながり、本人への正しい対応を身に付けていきました。そのおかげで「新しい生き方を見つけたい」と思うようになり、ダルクへつながります。その後もフラッシュバックに悩まされ、再使用も経て、いつしかクリーンが続き、今も回復し続けられているとのことでした。自分の経験を生かし、たくさんの仲間と家族の援助をしています。 お話を通して、いつの日か、本人が新しい生き方をしたい。。と思える日まで、家族はどうしていったらいいのか。。という、家族のあり方を教えてもらえました。

<基調講演は松本俊彦先生でした>

今回は市販薬についての現状とその課題について教えてくださいました。 わが国では市販薬は安全なもの、処方薬より手軽で便利。。という、依存症の現場での問題視とは全く逆な考え方が蔓延しています。実態調査の中でも、薬物の乱用は合法的な薬物でなされていると結果がでています。私たちが風邪の時にドラックストアで買う風邪薬や解熱剤、咳止めの中には、乱用、依存症になりやすい成分が入っています。それらの薬を、今の若者たちは、安いからとドラックストアで買い、大量に飲んだり(OD,オーバードーズ)、アルコールと合わせて服用したりと間違った飲み方をしています。そして、そのオーバードーズとともに若年者の自殺も増え、深刻な問題となっています。 「助けて!」を言えない子どもたちが増えているのは明らかです。麻薬(ジヒドロコデイン)は、孤立感を強く感じ、覚せい剤原料のメチルエフェドリンは、家や学校でのルーチンをこなすのに必要で、幻覚薬(デキストロメトルファン)は、嫌なことを忘れさせてくれる解離性誘発剤の効果があります。若者たちは、心の苦しさを人に相談できず、薬に頼るようになりま す。10年前に、流行った危険ドラッグは非行少年、学校に行けないような男子が多くはまりまし。今、オーバードーズして苦しんでいる子たちは、学校に所属し、通学して、良い子普通の子を演じている女子におおいそうです。 もし、薬がないと眠れない、苦しいと、学校で子供にSOSを出されたら、大人たちはどうすればよいのでしょうか。その相談事を頭から否定したり停学や退学などと口にしてはいけないとのことです。相談を受けたときは、だめ絶対!のように禁止する言葉は言わないこと、そして「変わっていこうよ!」と言わないこと。変わらないと今のあなたじゃダメなんだよというメッセージになるからです。一緒に考えていこう。。と言うことが大切だそうです。子供がやってしまったこと(オーバードーズ等)をやってしまった、と言えるには、受け止める大人たちがまずは続けて話に来てくれるよう雑談(ZD)していくことが大切であるとのことでした。 最後に、今の薬物対策の根拠法は違法薬物に特化したもにです。医薬品の場合は有害が明らかでも政府や企業の論理のほうが尊重されてしまいます。薬物依存症にも、「基本法」が必要です。それについて家族会が何ができるかを考えていくことも必要あると思いました。

<Q&Aセッション>


ファシリテーターを国立精神・神経医療研究センター、精神保健研究所、薬物依存研究部の片山宗紀氏にお願いし、松本先生、横浜ダルクから山田貴志氏、ソウさん、湘南ダルク栗栖次郎氏にご登壇いただきました。 Q1 今問題になっているサイレースについて、まだ処方されているのか? 松本先生… 確かに依存性のある薬でデイトレイプなどにも使われる。アメリカでは禁止。いつもの量であればOK。ふらつきがあるようなら他の薬に変える。安易には処方しない。 Q2 への市販薬の相談案件について聞きたい 山田… 処方薬については病院にきちんと診てもらい通院させる ソウ… 相談件数としてはそんなにないが、気持ちによりそう様に相談をうけている。

栗栖… 青い舌(サイレースを噛むと舌が青くなる)の写真をアイコンにしている若い子がいる。その行動の向こうにある生きづらさを考え居場所を作れるよう相談にのっている。 Q3 発達のグレーゾーンの人への接し方を知りたい 松本先生… 依存症、発達とそれぞれの診断が大切。社会保障も検討していく必要がある 山田… 周りの回復プログラムについていけない時には個室にしたり、プログラムそのものを配慮して、ケアしている。 ソウ… 見守りながら緩やかでもいいので、苦しみやいろんな思いを共有し、たくさんの経験を積めるようそのことを一緒にやっていくことが大切と思いながら接している。 栗栖… 底付き体験をさせることは大事だが、安全に失敗してほしい。突き放しだけではなく、家族のサポートを入れることが大切なこともある。 Q4 教師として今の若者に接する中、その支援方法に悩んでいる。

松本先生… 養護の先生だけではなく、校長先生の考え方。理解が大切。 Q5 ダルクの地域の理解についてやっていることは何か? @回復者に会ってもらう@回復者と色んなことを伝えていく @本当の仲間の姿を見てもらう@学校などでの講演などを受けている 最後に。。。 今、若年者の依存症問題が浮き彫りになっています。私も子供が10代でダルクにつながりました。それまでは外で同じ高校生をみるたびに涙が止まりませんでした。しかしそれが息子の回復には、何の役にも立たないことを、後に勉強しました。 依存症の家族は孤立しがちです。本人を相談に連れていけなくても、まず親が支援の窓口につながりましょう。

ともに学び、分かち合い、理解して、そして楽しく生きていけますよ

2025年7月26日横浜ひまわり家族会研修会


講師:横浜保護観察所 統括保護観察官野沢暁生氏

今回の研修会は、横浜保護観察所で、執行猶予中の薬物事犯者の更正指導にあたっている統括保護観察官、野沢暁生氏のお話でした。
更生保護とは、犯罪や非行の予防と、その再犯防止、更生とともに、社会復帰へ導いていくことです。
又、矯正施設内処遇から社会処遇(社会の中で暮らしながら更生していくこと)に移るとき、それを円滑に移行するという、大切な役割があります。
さらには、犯罪や非行から、社会復帰までの流れの中で、保護観察、執行猶予がついたとき、出所後の受け入れ先の調整、保護司との調整も大切な仕事となります。
 保護観察官には、多岐にわたる業務がありますが、各観察官の仕事内容に、偏りがないように、各業務にわかれているとのことです。

数々の犯罪の中で、薬物事案は再犯率も高く、各薬物によって対象年齢の違いもあります。覚醒剤は、成人の方が少年よりも使用率、再犯率が高く、大麻に関してはその逆で、若年層の使用率が高いです。そういった、薬物依存症の人たちに行うプログラムに関しての業務も多岐にわたり、外部の部署や施設関係者との調整、当事者に対する、処遇、そしてそれにまつわる事務作業と、保護観察官の仕事の多さに驚きました。日本では、薬物に対しての社会のスティグマが高く、理解のされにくい事案となります。まだまだ薬物依存症者を排除しようという傾向もあり、大きな課題と言えます。

また、大麻使用罪もてきたことにより、使用してしまう苦しさを相談できずに過ごしている当事者が増える中で、規制するということが先行しています。依存症者、犯罪、非行などに対する考え方を変えていくことの難しさを感じています。そして、援助的な考えを広めていくは。。。ということがも今後の課題です。
本人は刑務所内や、保護観察中に、義務的にプログラムを受けますが、家族も引受人会で勉強をさせてはどうか。。との質問が出ました。本人と同じように家族がプログラムを受けることで、依存症は病気であるというこをきちんと理解ができるのだと思います。家族が変わると本人も変わる。。というのは、どこでも聞くはなしです。

しかし実際は引受人会での家族用のプログラムはなかなか難しいのが現状だそうです。これは保護観察官の仕事が多く、なかなかそこまでは手が回らないということですが、家族に対して援助している家族会や、家族の自助グループに繋げ、家族にも回復のチャンスが訪れるよう、連携をしていくことが大切で、そこはすでに行ってくださっているとのことでした。
 今回の野沢様の話の中で、多岐にわたる仕事内容のなかて、常に依存症者に寄り添い、動いてくださっている保護観察官の皆様のことが少し理解できた気がします。
ありがとうございました。

2025年6月28日(土)横浜ひまわり家族会研修会

6月の研修会は、DARC茅ケ崎代表の藤村現氏、施設長小宮勤氏でした。
まず小宮さんからのお話です。
神奈川県小田原生まれです。会社を経営されてるご両親のもとに、2人の姉の下に長男として生まれた小宮さんは、その立場から、いろいろな思いを感じてきたそうです。
社員や取引先の人たちからは、「坊ちゃん」と呼ばれ、父親より、そういった人が遊び相手でした。
家族に対してはいい顔をしてやり過ごし、心の中では、素直に受け止めることもできず、大人びた言葉で返す子供でした。
人のモノが欲しくなったら盗む、脅して奪うなどで自分の欲求を満たし、自分自身を保ってきたとのことでした。
親には言われていないのに、家を継ぐということにプレッシャーを感じ、家に居場所を見つけられず、小学生のころから家出を繰り返しました。
・・・中学、高校・・・そして、薬物・・・
中学では体も大きくなり、バイクを盗み、乗り回し、行動範囲が広がっていきました。そして、高校進学も、「どうせ、プロにはなれない・・・」と、サッカーでの推薦を蹴り、家業に役立つようにと工業高校に進学しました。
16歳で薬物に手を出し、その不良仲間をかっこいいと感じ、その中にいる自分に価値観を見出します。
そこでの付き合いやふれあいで自分を保てたとのことです。
その後使用頻度が増え、21歳で、覚せい剤を使用しました。それまで、何となく使っていた薬が、初めて、「良い物」と、認識します。これもまた使用頻度が多くなるにつれて、お金が足りなくなってきます。

友人をだまし、脅し、薬物第一になったからだと心はいろいろなものを奪っていきました。23歳で借金もしましたがそれは、父親が「尻ぬぐい」してくれたとのことです。
・・・逮捕、回復へ・・・
そんな日々が変わる時を迎えます。27歳で初めて逮捕されて、その時は「これでやめられる」と、ほっとしたそうです。
留置場の中でどうしたら辞められるかを、初めて考えることになります。
その頃家族は家族会につながっており、「家には帰ってこないでほしい」と、言われたそうです。釈放後行く当てもない小宮さんに声をかけてきたのは、昔の薬物仲間だけでし
た。そのまま再使用し、死にたい、助けてほしいと、家族に連絡をとりました。「ダルクに行くなら助ける」と言われ、小宮さんの回復が始まりました。
・・・・人との繋がりと縁・・・
家族会に繋がっていた家族は、本人への正しい対応をみにつけていました。そして、小宮さん本人は、その時々、数々のタイミングで受け取ることができました。先ゆく仲間の笑って生きる姿が12ステップとともに自分の中にも入ってきたそうです。
回復とはシンプルに「仲間と同じ事をすること」だそうです。回復者として、そしてスタッフとしてもたくさんの経験を積み、今は施設長として、伴走者として、依存症者により
そって日々忙しくしています。結婚されて子供も生まれたとの事。
最後の、病気とうまく付き合うことができる、病気を出さずに生きる、自分の弱さやパターンを、ミーティングで振り返る・・というお話は、私たち家族にも共通する話だとおもいました。

◆次に、藤村さんのお話です◆

藤村さんのお父さんもお母さんもそして兄弟も福祉関係の仕事についているそうです。勉強を強要されず、わりと自由に育てられたとのことです。ただ、きちんとした正装で撮る、家族写真が嫌だったという記憶は強く残っているそうです。
小さいころから手癖が悪くうそをつきだまし取ることを、悪いことと認識していなかったとのことです。プログラムをやるようになり、自分は薬が問題だと思っていたのが、
小さいころのことを思い出すと、その頃から問題は始まっていたとに認識したそうです。
・・・問題は家族の中に・・・
アディクションは、アルコールやたばこから始まるといわれていますが、藤村さんは小学生でたばこを吸っても、こんなもんか、と感じ、また、ビールの泡をなめたりしてい
ました。
・・・小学校、中学校・・・
1時間もじっと座ることができず、授業を抜け出す子供でした。しかしスポーツはすきで、人気者だったそうです。
4年生で転校することとなり、転校先ではじめてたばこを吸い、それでもサッカーもして過ごしました。
中学は不良ブームで徐々に非行に走りました。その先輩に誘われて、シンナーを使い始めます。まわりに弱く見られたくないといった思いからでした。その後は両親、大人の言葉は耳に入らず、悪い仲間の言葉だけを信じて、生きるようになります。
・・・17歳で覚せい剤・・・
やめたくてもやめられず、自尊心や、気分が落ち込み、その気持ちからのがれるためにまた使うという繰り返しになっていきました。
依存症は家族を巻き込む病気です。そんな中でも母親はいつも「これから、どうしたい?」と、怒らずにきいてきました。
親が家族会に行き、正しい親の対応と、距離の取り方を学んでくれました。そして、いわゆる愛のある「突き放し」を、したそうです。それが、ダルクに行ってみようか…と
考えるきっかけに、なりました。
35歳で初めてダルクで「依存症という、病気だよ」と言われたときは、救われた気持ちだったそうです。自分から、遠くに行きたいと、沖縄にわたり、そこから回復が始まり
ました。
依存症という病気は常にきもちをネガティブにもっていきます。新しい仲間は一番辛い。。。そんな気持ちを理解して、代表として過ごされています。最後に「シラフでいれば、本人も、家族も幸せ。。。」との言葉をいただきました。

今回も、お二人の話から、家族としての在り方のヒント、また私達にはなかなか理解できない、依存症者としての心の中の声をたくさん聞くことができました。私たち家
族も、少しずつ前にむかって歩いていけるように、家族会に参加していきたいとおもいます。