講師:群馬ダルク
施設長 福島ショーン氏、代表 平山 晶一氏、
5月の研修会は、毎年来ていただいているお二人のお話でした。私たちは楽しみにしていますが、お二人も毎年楽しみにしてくださり、また、自分の成長にもつながっているとの事で、大変うれしく思います。お二人が行ってくださるプログラムは、家族参加型です。なので私たちも聞くだけではなく、考え、発言し、仲間の話にも耳を傾けて、今からすぐに実践できることを、教えていただけます。 今回の研修会の内容は、依存症本人には、「これだけは言わないほうがいい言葉」についてです。 私たち家族は、依存症の家族に対して、なぜ?どうして?と常に思ってしまいます。そしてそれは、家族にとっても本人にとっても、とても辛いことなのだと思います。依存症本人は、再発と失敗を繰り返します。その時突き放す一辺倒ではないということも今は、言われるようになってきました。今回は、言わないほうがいいという言葉を学ぶとともに、依存症者 を理解できるようになる研修でした。家族が本人と話すときの言葉、又その時の思考を、どのようにすればお互いに傷つかず、少しでも良いほうに向かうのかを教えていただきました。
『依存症本人に言わないほうがいい言葉』
⑴ [また?」
依存症はWHOで認められている病気にも関わらず、世間には病気と認めてもらえず、本人や家族でさえもそれを認めることが難しい病気です。それは検査結果に出るわけでもなく、精神論で理解しようとするからです。ですから失敗や再発した時に、家族は「またそんなことしたの?」「また問題おこして!」と言いがちです。依存症は再発する病気です。失敗する病気なのです。家族はそこのところを理解できてくると、本人がどうというより自分が楽になり、また本人にもつらい言葉を投げかけなくなるのではないでしょうか。本人は、誰よりも、「治さなければ」「何とかしなければ」と、思っています。何か起きたとき、家族は、良いも悪いも言わず、「こういう病気なんだ」と思えるよう学んでいくことが必要です。もし何か言うとしたら・・・。「あなたの頼るところは、ここ(家族)じゃないよね。」「病院や、自助グループは?」などを選んで、話しかけましょう。時として離れてあげましょう。離れることで、本人が生きるコツを覚え、自立に近づくことができます。
⑵「がっかりした」「頭にきた」
この言葉も私たちは言ってしまいがちです。これは本人に対する期待と理想が大きいために言ってしまう言葉です。依存症本人は、生きづらさを和らげるために、使い、飲み、依存行為をします。それ以外の楽になる過ごし方を知らないのです。そして、失敗や再使用があったときは、誰よりも本人ががっかりしています。また、依存症物質や行為が止まれば、すべてがOKでしょうか?それは、違います。本人は使っていてもやめても、心も体もボロボロなのです。
⑶ 何度も繰り返し同じこと(アドバイス)を言う
家族は、良かれと思って、また、ここぞとばかりに同じことを何度も言うことがあります。しかし、それをしたところで、良い結果がうまれたでしょうか?うまくいかなかったのではないでしょうか。そんなことを言いそうなときは放っておく、その場を離れることもいいでしょう。自分のやり方、言い方を変えて、家族会で学んだやり方をしてみましょう。がみがみと長いこと同じことを言っても本人は「早くその場を去りたい」と思うだけだそうです。アドバイスしすぎると、本人が学び自分で解決する力をつけることを、妨げてしまいます。
⑷ 「意志が弱い」「根性がない」
依存症は気持ちや精神論では戦えない病気です。しかし、治療すれば、いろいろなものをとり戻せます。なぜ、やめられないのでしょうか?・離脱の苦しみ
やめるのも、やめることに立ち向かうのも辛く、肉体的にも、精神的にも辛い時期があります。それでも、仲間の中で、仲間とプログラムをやり続けることで、いろいろなスキルを学び、様々な安定を、手に入れていけます。
・重複障がい
診断されている、いないにかかわらず、重複障がいがあると、同じ失敗を繰り返すことが多いです。それにより辛さが増し再発しやすくなります。障がいを理解し、依存症の症状が落ち着いたところで、発達の治療をしましょう。・社会的、個人的スティグマ社会が依存症に持つレッテル、そして、本人の中にある自分にレッテルをはること、これにより、本人は「どうせ、自分なんか」と、言う気持ちになり、再発しやすい状態になります。
最後のQ&A
・マリファナは、軽い薬物ではない
・本人は使う理由を、使う言い訳にする
・女性の回復の仕方は、トラウマが関係していることが多く、難しい
お二人の研修を聞き、依存症という病気の深さを、あらためて痛感しました。同時に私たちにできることは、何かということも再認識できました。家族が言ってしまいがちなことを、言わない、ほかの言葉で言い換える、言わないで離れる、心は差し伸べてもすべてに手を出さずみまもる・・・。そして、家族会で正しい知識を身に着け、仲間とともに学んでいけることの、大切さを感じました。 また、来年も楽しみにしています。
