横浜ラポールシアターで、神奈川県立精神医療センターの小林桜児先生をお招きして、オープンセミナーを開催いたしました。200名ほどの参加がありました。
家族や薬物依存症本人の体験談や、Q&Aセッションなど盛りだくさんの内容でした。家族の体験談では、MKさんの胸に迫る混乱時期の状況が語られました。世間体の壁を超えられなかったことや、精神論・家族だけでは距離が取れず追い込まれていったことなど、この問題に直面した家族であれば、避けられなかった道だったと思いました。生きてこその回復・・・まさに、そんな体験談でした。
当事者である「NPO法人ハッチ」の細川さんは立場上、報道の嵐に巻き込まれ家族を傷つけてしまったことを語られました。会場に息子さんを連れてこられ、これから自分が歩んでいく道を示しておられました。そして回復に繋げる窓口を創りたいと活動を懸命にされています。応援していきたいですね。そして横浜ダルク・ケア・センターのロンさん。20年以上に渡り、薬物を止められずようやくたどり着いた横浜での回復の道でした。ご両親とは繋がることはできなくても、きっと心のどこかでは気にかけていることと思います。遠くから応援しています、私たち家族会も。
小林桜児先生の基調講演は、さらに混乱している家族がどうすればよいのかを具体的に示してくださいました。「病気としての依存症」の解説はもちろんのこと、脳の変容だけで起こるものではないことや、成育歴など易しくわかりやすい講義内容でした。「依存症行動は心の痛みに対する孤独な対処」 誰かと繋がり心の内をさらけ出せるようになることが依存症当事者にも、巻き込まれている家族にも一番大切なことです。
生き伸びること、そして繋がること。そんなメッセージを受け取りました。
Q&Aセッションでは、会場からの質問や、事前に受けていた質問に小林先生や家族や当事者、医療関係者などで知恵を合わせて答えてくださいました。答えはひとつではないけれど、なにか一歩前に進む勇気がわいてきたのではないでしょうか。
次回のオープンセミナーも実りあるものにしていきたいと思います。