少し暑さのやわらいだ日曜日、「横浜ひまわり家族会」は横浜市の受託事業として各機関の協力の下、初めてのフォーラムを開催いたしました。
午前中は原宿カウンセリングセンター臨床心理士 高橋郁絵先生による「家族に役立つ動機付け面接」のワークショップが開かれました。「間違い指摘反射」など普通に私たちがやってしまいがちな心の動きに焦点を当て、対峙しない話し合いを持つためのエッセンスが散りばめられたワークショップとなりました。初めて出会った皆さんもうちとけて楽しくワークができました。
そして午後のフォーラムには200人程の方が参加してくださいました。家族の切実な回復への思いや、本人体験談では自信を振り返る中で、生き方を模索している姿が、共感を呼びました。家族は突然、薬物の問題に巻き込まれ、なんとかしなければと右往左往します。しかし、どこに相談をするのか、はたまた相談していい問題なのか?問題はどんどん膨らみ、生きることさえ危なくなってくる・・・そんな状態でやっと家族会にたどり着く・・・たどり着ける家族は氷山の一角。いろいろな事件の背景に薬物問題の影があります。
当事者本人のごえもんさんのお話。今は就労支援事業をされています。自分で社会に働きかけて開拓していくたくましさを感じます。先ゆく仲間として参考にしていきたいと思える素晴らしいかたです。
基調講演は国立精神・神経研究医療センターの松本俊彦先生の暖かさに加え勢いのあるお話でした。
「依存症の栄養は孤独や秘密。依存症の反対はコネクション。人と安心して繋がることが回復への大きな支えになる。」そんなお話に胸がいっぱいになった家族や当事者本人も多くいらっしゃると思います。依存する先をできるだけ沢山持つこと、スリップしても治療プログラムから脱落しないことが大切。「おせっかいプロジェクト」の確立を願うばかりです。
当事者本人や家族が孤立しない「安心できる地域社会」を目指して活動していきたいと思います。
今回のトークセッションは、国立精神・神経研究医療センター近藤あゆみ先生の司会で松本先生、横浜市こころの健康相談センターや、神奈川県精神医療センター、横浜保護観察所の方、横浜ダルク、湘南ダルクも交えて、それぞれの機関の依存症への取り組みや、今後の課題などを話していただきました。フロアからの質問もあり、貴重な意見交換ができました。地域で生きていくことを目指して、関係機関が協力できる社会になって行くことを熱望します。