2018「秋の公開講座」第2回目11月4日(日)「家族が元気になる“動機づけ面接”」

講師:原宿カウンセリングセンタ〜臨床心理士・精神保健福祉士

高橋郁絵先生

テーマ 「共感ってどうするの?」

「困った時の一言は」

まず、「是認」とは何か?「上からの目線ではなく、同じ目線で相手の強みや努力などを認め、言葉にして伝えること」が大切です。また、1回目の研修会でも学んだように、本人は家族が正したくなることをいろいろ行います。その時に家族がやってしまいがちなのは「間違い指摘反射」です。その心理の裏側には、家族が感じる不安だということです。「間違い指摘反射」の抑制には、「本人が本当に言いたいことは心の奥にある」と言う事を知っているだけでも反応しないでいられるようです。本人と話す中で、すぐに言いたくなる言葉・例として「私だって知ってるよ」や「あなたのことを考えているからこそ心配なのよ」などはNGワードです。相手の気持ちを想像して伝えてみる、すなわち共感の言葉をかけることで、関係性は大きく変化します。声の調子や語尾を少し落として話すなど、練習をすることもできることです。今回はグループになって「聞き返し」の練習をやってみました。語尾を下げ、言いきらないことで、押しつけ感が弱まり、話が続いて行きます。「言い方ひとつで行動の未来が変わる」これは私たち家族にとって、非常に大きな変化を呼び込むものではないでしょうか。

本人の話を聴くためには、話のどこに注目していくのかも大事なスキルになります。相手が変化したい気持ちをうまくくみ取って話すことが大切になります。本人も気づいてない気持ちを引き出すきっかけになるかも知れません。

例えば、「親のせいで人生が台無しになった。俺の人生を返してくれよ。そうしたら酒だってかんけいなくなるだろ!とりあえず金をくれ!」に対して、怒らず落ち着いて「本当はお酒じゃなくてもっと違う人生を歩きたかったんだよね。」などかなりハードルが高いですが、言えるといいですね。

話を聞きながら共感していくことで本人の落ち着きを引き出せる可能性もあります。ただ家族はいろんな問題に巻き込まれてきたので、まずは自分が落ち着けるようにすることが大切ですね。

研修会では、「言われて困る一言」への対応や共感の言葉をグループで考えました。例えば、「俺なんかいなくなった方がいいんだろう。」と言われたとします。みなさんはどう答えますか?「そんなこと思ってないよ。」でしょうか?それとも売り言葉に買い言葉で「そうだよ。あんたなんかいなくていいよ・」と言ってしまうでしょうか?難しいところですが、裏にある気持ちを汲むと、「にくまれていると感じてるんだね。」とか、立場がなくて苦しんだよね。」などが言えるといいですね。

家族が本人に言いたいことがあっても、本人に聞きいれる心のスペースがなければ言っても本人の気持ちには入らないということも学びました。そのスペースを作るための作業が「共感」していくことだそうです。

家族や当事者の体験談も、大切な言葉が散りばめられていて心に響くものでした。

日々の生活の中でコミュニケーションスキルを身につけていけるようにしたいですね。仲間とともに歩く・・・その第一歩でしょうか。

2018「秋の公開講座」第1回目10月7日(日)「家族が元気になる“動機づけ面接”」

テーマ「やりがちな失敗とアドバイスの仕方」

講師:原宿カウンセリングセンター 臨床心理士・精神保健福祉士 高橋郁絵先生

今日は、2018「秋の公開講座」第1回目を開催いたしました。
原宿カウンセリングセンターのカウンセラーで臨床心理士・精神保健福祉士である高橋郁絵先生をお招きして、「家族が元気になる“動機づけ面接”MIFTのワークショップ」第1回の学習会をしました。
「動機づけ面接」とは、説得するのではなく、本人の内側にある行動を変えたい気持ちを本人に共感しながら引き出していく面接の仕方。例えば、空っぽのグラスに他者から動機なるものを注がれるのではなく、深い井戸から本人の本当の気持ち・動機をくみ上げていくイメージを持つとわかりやすいでしょうか。
そのために、援助者や家族はどういう会話の方法を身に着けていくとよいのかが今日の勉強の中心でした。

まず、一番に注意をしなければならないのは、「間違い指摘反射」だそうです。この原因は正しいことを教えないと失敗するかも・知らないまま不幸になるかもと思ってしまうことや、私が正しいことを知っていることを示さなければいけないと思っていることや、ここで相手の言うなりになったら大変なことになるなど、自分の中にある価値観です。

自分の不安を自分で抱えられるようになると相手の気持ちを想像できるようになります。そうでないときは自分が安心できる言葉を相手に言わせたくなってしまいます。自分で自分の不安を抱えられるようになるためには、トレーニングが必要になります。

トレーニングとして、最悪の状況を想像してみることや、深呼吸などの呼吸法、ストレッチなど気持ちを楽にする方法などがあります。また今日はやっているマインドフルネスなども湧いてきた考えと距離をとるのに役立ちます。
「間違い指摘反射」を抑制するには「不安や怒りと大切なものは表裏一体であることや相手の言葉や行動は気持ちのほんの一部に過ぎず、氷山の一角であることに気づくことも大切になります。

またアドバイスにもお作法があることを学びました。援助者や家族が話すときに聞いてもらえるかを尋ねてみることや、本人の知っていることを聞いてみる・アドバイスをしたら理解や感想を聞いてみるなどです。一方的に押し付けるのではなく、また本人が聞く気持ちになっているかどうかも成果に大きく影響することを学習しました。

みんなでワイワイとワークをしながらの今回の研修会は、自分のコミュニケーションの取り方を見直すよい機会になりました。2回目の研修会もぜひご参加ください。

2017年 秋の公開講座の開催御礼と結果報告

この事業は「よこはまふれあい助成金」を受け実施しました。(平成29年度)

薬物依存症者を抱える家族の会「横浜ひまわり家族会」が、「よこはまふれあい助成金」を受けて「秋の公開講座」を、下記の通り3回開催いたしました。この「公開講座」の目的は依存症の種類(薬物、アルコール、ギャンブル、女性の依存症)は違っていても、依存症者を抱える家族の共通の苦しみが認識でき、共通した課題を学習し回復に繋げることです。各方面からのご協力をえて、多くの方に参加をいただき盛会のうちに終了できましたことを、厚く御礼申し上げます。

第1回「依存症と家族の回復について」<薬物依存症&アルコール依存>

平成29年9月16日(土) かながわ県民サポートセンター3階301号

講師 近藤あゆみ先生 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部 診断治療開発研究室長

ゲストスピーカー

広瀬儀和氏 横浜断酒新生会 会長(アルコール依存症の体験談)

横浜ダルク当事者(薬物依存症の体験談)

◇感想:私達ひまわり家族会員は、クローズミィテイング、研修会と勉強をして来ましたが、近藤先生の講演を聞き、私達が最初に教わった、原点を思い出しました。依存症とは・・・家族として何をする・・・完治の無い病、回復を目指して、前進しようと固く心に留めました。変えられるもの、変えられないものを、しっかりと見極めましょう。

印象に残った文章 Ican’t, We Can ・・・「わたし」にはできない、でも、「わたしたち」ならできる!

第2回「依存症と家族の回復について」<薬物依存症&ギャンブル依存>

平成29年10月21日(土) 横浜市健康福祉総合センター 8階 大会議室

講師 森田展彰先生 筑波大学医学医療系ヒューマンケア科学専攻社会精神保健学 准教授

ゲストスピーカー

NPO法人RDP横浜 樋口信一氏(ギャンブル依存症の体験談)

横浜ダルク当事者(ギャンブル依存から薬物依存症の体験談)

◇感想:当事者との対話は、大変に難しいものです。森田先生は、薬物、アルコール依存症を分析され当事者への対応、いかにして回復へつなげるか、グラフ等で表現され理解できました。家族が元気で、生活出来る事が一番の幸せです。

◇感想:当事者体験談として、樋口氏及びダルク当事者のお話があり、お二人の話の内容を聞いていた参加者が涙している人もいました。それほど、我々は共通点が多く、依存症は病気であり、それが治るか不明なところも多く不安であり。講演を聞いて勉強していくことも大切だと思いました。(ツ)

第3回「依存症と家族の回復について」<薬物依存症&女性の依存症問題>

平成29年11月25日(土) 南センター 南寿荘 3階 講義室

講師 引土絵未先生 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部

ゲストスピーカー

小嶋洋子氏 NPO法人 Indah代表(体験を通してと女性の回復)

横浜ダルク当事者(薬物依存症の体験談)

◇感想:引土先生の講演は、先生自身が「アメリカ」で実体験された内容です。治療共同体「アミティ」の、お話しに興味をもちました。日本では考えられない事ですがさすがに、アメリカは先進国です、感動しました。日本も将来「過疎地」を利用してこの様な、施設が出来る事を願っています。早く「日本」が薬物依存症は病気と、認めて欲しい。

以上の開催内容でした。

また、参加者の皆様方を所在地、所属先を集計しました。(参考まで)

① 参加者の所在地  ② 参加者の所属先  等をまとめグラフにしました。(下図)