2018「秋の公開講座」第1回目10月7日(日)「家族が元気になる“動機づけ面接”」

テーマ「やりがちな失敗とアドバイスの仕方」

講師:原宿カウンセリングセンター 臨床心理士・精神保健福祉士 高橋郁絵先生

今日は、2018「秋の公開講座」第1回目を開催いたしました。
原宿カウンセリングセンターのカウンセラーで臨床心理士・精神保健福祉士である高橋郁絵先生をお招きして、「家族が元気になる“動機づけ面接”MIFTのワークショップ」第1回の学習会をしました。
「動機づけ面接」とは、説得するのではなく、本人の内側にある行動を変えたい気持ちを本人に共感しながら引き出していく面接の仕方。例えば、空っぽのグラスに他者から動機なるものを注がれるのではなく、深い井戸から本人の本当の気持ち・動機をくみ上げていくイメージを持つとわかりやすいでしょうか。
そのために、援助者や家族はどういう会話の方法を身に着けていくとよいのかが今日の勉強の中心でした。

まず、一番に注意をしなければならないのは、「間違い指摘反射」だそうです。この原因は正しいことを教えないと失敗するかも・知らないまま不幸になるかもと思ってしまうことや、私が正しいことを知っていることを示さなければいけないと思っていることや、ここで相手の言うなりになったら大変なことになるなど、自分の中にある価値観です。

自分の不安を自分で抱えられるようになると相手の気持ちを想像できるようになります。そうでないときは自分が安心できる言葉を相手に言わせたくなってしまいます。自分で自分の不安を抱えられるようになるためには、トレーニングが必要になります。

トレーニングとして、最悪の状況を想像してみることや、深呼吸などの呼吸法、ストレッチなど気持ちを楽にする方法などがあります。また今日はやっているマインドフルネスなども湧いてきた考えと距離をとるのに役立ちます。
「間違い指摘反射」を抑制するには「不安や怒りと大切なものは表裏一体であることや相手の言葉や行動は気持ちのほんの一部に過ぎず、氷山の一角であることに気づくことも大切になります。

またアドバイスにもお作法があることを学びました。援助者や家族が話すときに聞いてもらえるかを尋ねてみることや、本人の知っていることを聞いてみる・アドバイスをしたら理解や感想を聞いてみるなどです。一方的に押し付けるのではなく、また本人が聞く気持ちになっているかどうかも成果に大きく影響することを学習しました。

みんなでワイワイとワークをしながらの今回の研修会は、自分のコミュニケーションの取り方を見直すよい機会になりました。2回目の研修会もぜひご参加ください。