7月23日 研修会 筑波大学 森田展彰先生

研修会のテーマは「家族の支援と回復」でした。
「依存症という病気を知らないと家族と本人は対立構造になりやすい。」ということで、一生懸命に助けようとする家族ほど、悪循環に陥ってしまい良い効果を生まない関係になってしまいます。本人はつらい気持ちを隠そうとさらに嘘を重ねていき、信頼をどんどん失っていきます。「依存症」を認め続けていくことは大変な負担がかかることを受け入れていくことも家族にとっては大切な心構えになります。当事者と距離を置くことで冷静になる場面が生まれて、回復へのひとつのプロセスとなっていきます。どこまでも突き放すということではありません。
そのような問題を認識したうえで、コミュニケーションスキルを上げていくことが効果的に関係性に作用していきます。相手「当事者」の気持ちを否定せずに受け止め押しつけるような言い方を避ける。また、相手との境界線を尊重しながらも自分の気持ちを伝えることが大切です。
参加者でこのようなコミュニケーションのワークも行いました。「わかっていても実際は言えないよね。」なども感想が口々に話されていました。
「依存症」の問題だけではなく、どの人間関係にも役に立つ研修会となりました。

6月25日 研修会 「マロニエ医療福祉専門学校」医療学部 渡邉厚司先生

今日の研修会は、「コミュニケーションを点検する」というテーマでお話をしてくださいました。
点検の「道具」を使って、「変えられること」と「変えられないこと」、「できること」と「できないこと」を見極めてはじめてみましょうということで、沢山のヒントをいただきました。
コミュニケーションのパターンも含めて自分の役割を点検し、その役割に名前を付けて顕在化してみる、そしてその役割を降りることにチャレンジしてみる。また、負の感情にも目を向けて否定しないで抱きしめて味わってみるなど、「私」をそのまま認めていく作業など、依存症者本人ではなく、自分に焦点を当てて認めていく過程で変化を見出していくことが大切であるなど、生き方の点検をするツールが散りばめられていました。
「今日一日」自分が扱える大きさの問題に取り組むことで、混乱から解放されて回復の道を進んでいけるのだと実感しました。
渡邉先生のお話は、とても楽しくいつもすぐに取り組んでいける道具を提示してくださるので、ひとつでも実行していくことをお勧めします。

4月23日 研修会 講話/就労継続支援B型事業所「UNDAR THE SAME SKY」の所長 石川晶啓氏

今日の家族会はミーティングから始まりました。テーマは「楽になろう」です。セルフケアの方法や依存症本人の様子などをメンバーがそれぞれに思いを話しました。
そして、講師は就労継続支援B型事業所 「UNDAR THE SAME SKY」の所長 石川晶啓さんでした。就労継続支援事業とは、通常の事業所に雇用されることが困難な就労経験のある障害のある方に対し生産活動などの機会の提供、知識及び能力の向上のために必要な訓練を行うサービスを提供しているところです。UNDAR THE SAME SKYはコーヒー豆の焙煎や販売を通して就労の支援をしています。
長らく薬物を使用していて、施設に繋がっても正直になれずにいた過去の経験や、石川さんが大切に関わっていたメンバーのお話がありました。ご自身が関わったメンバーが元気でいられるようにしたいという、強い思いで現在の事業所を開いていることなど、深いお話でした。

私たち、依存症者の家族にとっては治療に繋げることの次の課題は社会にどう出ていくのかということです。ダルク後をどう考え行動していくのか。本人にも家族にも大きなステップになります。
社会の変化を望むことも大切で、今年度はひまわり家族会の活動を広げていこうとしています。みなさんの力を貸してください。ともに歩いていきましょう。

2月27日 研修会 神奈川県立精神医療センター 依存症診療科 小林桜児 先生

薬物依存症の理解と対応 ~どのようにして回復の道につなげるか~」

いつもの軽快な語り口で、依存症の特徴や心理などを話してくださいました。脳が変容して起こる依存症ですが、それだけではなく何か心に痛みを持った人が「生き抜くため」に薬物を使ってしまうことや、その「生きづらさ」は明白なものと、暗黙のものがあることなど、依存症を抱えた人の心に近付けるようなお話がありました。
特に「依存症患者の生きづらさ」の説明で「過剰適応」というお話には依存症者本人の気持ちをよく理解することができ、「回復」ではなく「成長」と言われる意味も理解できました。

対応の仕方についても正論で説き伏せるのではなく、共感し感情を理解することや、本音を言える信頼関係が何より大切であることを学びました。
目の前で薬物の問題が大きくなると、私たち家族は混乱しどうしていいかわからず何も見えなくなってしまいますが、犯罪とは別のところにある心の問題として捉えられると、少し展望が開けてくるように思います。
家族の力だけではどうにもならない依存症の問題ですが、家族も仲間を作り分かち合う関係ができてこそ、依存症に苦しむ人を回復に繋げていくことができます。
家族や友人の依存症で悩んでいる方、是非一緒に学び、回復に繋げていきましょう。

1月23日 研修会 神奈川県立精神医療センター PSW 井上恭子氏

家族の対応」ということで、「依存症の基本的な捉え」や「薬物依存の治療の現場でのプログラム」などを明快にお話いただきました。本人が治療の場面に登場するのは、大半は家族が相談機関に繋がってからであることから、私たち家族はやはり一人で悩まないで、どこかで助けを求めることが大切だと思いました。「依存症」という病気の特徴を理解し、本人の気持ちを治療に向けていくには、最も身近で病気の影響を受けやすい私たち家族の行動の変容が大きなカギを握っていることを改めて実感しました。そして変わっていくためには私たちにも仲間が必要です。