5月25日(土)家族研修会

講師 日本がルク代表 近藤恒夫氏

アパリ弁護士 高橋洋平氏

今回の研修会は「ダルク」の創始者である近藤恒夫氏をお招きしお話を伺いました。近藤氏は1985年に薬物を断ってから34年に渡りクリーンであられるとのことです。

「ダルク」は組織化することなく必要なところで出来ていった、まるでタンポポの綿毛が飛んで落ちたところに芽が出るように増えていっている・・・そんな表現をされていました。

「ダルク」は増えていってもその活動をサポートする人を増やしていかないといけない。そのためには社会的に信用のある人を巻き込んで支える体制を作って行きたいとのことでした。

昔の薬物依存症者は暴走族など反社会的な人たちが多く、亡くなって行く人も多かったそうです。現在はおとなしいひきこもりタイプが多いとのことです。

「ダルク」は人と群れる練習の場と捉えて、友達が作れる場として機能しています。「ダルク」の人たちは学校にあまり行けなかった人や、辞めてしまった人も多く、学び直しの場をこれから作っていきたいと考えているそうです。「ダルク教育支援財団」を作ってスマホなどで新しい学びの場を提供していき、薬物で崩れた人生を取り戻せるようにしたいと熱く語っておられました。

今回はアパリの弁護士・高橋洋平氏も来てくださいました。弁護士というと硬いイメージがあり、前に立って引っ張って行くという姿勢でいるとうまくいかないことが多かったそうです。少し斜め前をゆっくり歩くイメージでいるように心がけているそうです。治療に繋げていく過程では、本人が何を求めているのかを知ることが大切で、粘り強く関わっていけるように心がけていらっしゃるとのこと。同じ目線で話せるよう努力をされているそうです。

借金問題は多くの人が抱えています。普通は借りたら返すという感覚が身についていて当然なのですが、それができなくなって破たんしていきます。家族も本人もメリットやデメリットをよく知ってから解決に当たれるとよいと思います。自己破産などデメリットも大いにあることを知っておくことも大事です。

「刑の一部執行猶予」が実施されているが再犯率も大きく変わらないとのことです。刑法ではない方法で薬物依存症の問題を考えていかないといけないと話されていました。法務省管轄の自立準備ホームも3~6か月は利用できるがそのあとをどうするのか、全く連携が取れていないといいます。何度も刑務所の入ると社会復帰はどんどん難しくなります。病気という側面をいかに考慮して裁判をしているのか、もっと訴えていかなければいけないと思っているということでした。

研修会の後には、個別相談にも応じていただきました。