8月25日(日)第3回薬物依存症者と家族フォーラム」

テーマ:薬物依存症は病気です。

〜家族が笑顔を取り戻すために〜

「回復は仲間の中から始まる」

基調講演:国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所

薬物依存研究部 心理社会研究室長 嶋根 卓也 先生

 今回は横浜ひまわり家族会の第3回「薬物依存症者と家族フォーラム」でした。 家族会からはきっこさんの体験談。息子さんにはつつみ隠さず話せる場が有意義であったこと、家族だけでは支えきれないことや、親が元気で暮らしていることが本人の回復につながることなどを胸を詰まらせながら語ってくださいました。横浜ダルクからはスタッフのブルースさんが薬物依存ではないけれど、これまでの生きづらさを話してくださいました。緊張感のある家庭に育ち、人と親しくなることがわからない・家庭の中でマスコット役やいない子役を背負い生きてきたことなど生きづらさの根本を丁寧に話されていました。薬物ではない何かに無力を認めないと生きるのがとても苦しかったということです。私たち家族も何か抱えて生きていると思います。自分を見つめるよい機会になったように思います。当事者の体験談は横浜ダルクのまっちゃんのお話でした。親の愛情を利用してお金を引き出し、覚せい剤につぎ込んでいたこと、現実を見ないでクスリだけあればいいと思って生きてきたことなど、正直な気持ちが聞けました。家族が「あなたはクズではない」と言ってくれたことがうれしかったことや、薬物依存は病気であるが、やりたい放題やってきたことを病気で片づけてよいのか迷ったことなど心の変遷がよくわかる体験談でした。

 基調講演は国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所薬物依存研究部心理社会研究室長の嶋根卓也先生でした。

「当事者が主体となった回復支援活動のエビデンス:ダルク追っかけ調査」がテーマでした。ダルクと聞くとヤク中のたまり場や、犯罪集団のように悪い印象が先立ち、世間一般に受け入れがたい印象を持たれていることが多いようです。研究の目的は、ダルク利用者の断薬率や再使用率などの予後に関する基礎情報を集め、地域連携のためにダルクなど民間支援団体の情報を関係機関に周知し共有していくこと・ダルクの利用者の予後を明らかにすることだそうです。 「ダルクの人ってみんな覚せい剤なんでしょ?」「みんなゼンカモンでしょ」「どうせまた使っちゃうでしょ」など世間は負のイメージで固まっていると感じます。調査の中で、覚せい剤以外の依存症のほうが多いことや、薬物事犯として逮捕されている人は半数以下であることやつながっている人の再使用率が圧倒的少ないことが数字で表されています。今後のダルクの活動を広げるために重要な調査であると実感しました。そして断薬を維持するためにはメンバーとの良好な関係・回復モデルの存在・自助グループへの定期的な参加が大切であることを伝えてくださいました。私たち家族も回復の道が数字で表されることにより、すこしでも見通しが立つ材料になりました。

 Q&Aセッションでは、ダルクの施設長や他の回復施設の責任者の方をお招きして家族会からの質問に答えていただきました。 出所や退院の時にいったん自宅に戻ることは回復の妨げになるのか、離婚はどう影響するのか、家族が家族会に参加していることを当事者はどう感じているのか、ダルク後のサポートはどうなっているのかなどそれぞれの考えを話していただきました。印象的だったのはダルクを出てもいつでも帰ってこられる港でありたいということでした。