5月23日(土) 横浜ひまわり家族会研修会

講師:群馬ダルク代表 平山晶一氏
施設長 福島ショーン氏

今回の研修会は、群馬ダルクから、お二人をお招きしました。
ショーンさんは、アメリカでの研修を終え、その時の様子を教えてくださいました。ホームレスが100万人、薬物中毒者がウロウロさまよっている街。NAや、施設は進んでいると思っていましたが、若い人はつながれるが、年配者はつながれないという現実だそうです。

平山プーさんは、この1年で、ダルクの先輩方が亡くなってきている現実や、春先の落ち着かない施設内のことを教えてくれました。良い話としては、自分のクリーン年齢と同じ年の姪御さんが結婚され、式に参加できるたことの幸せ、ハイヤーパワーとプログラムの素晴らしさを教えてくださいました。
お二人の近況からはじまった今回の研修会では、「僕らを知って理解してもらい、手放してください」というお話でした。
家族がこれを知り理解することはどれほど必要なことがわかる研修会となりました。

1.アディクションは、心の中に語りかけてくる。。。病気の声は、いろいろな言葉をささやいてくる
薬物やアルコールを使っているときは………
・楽しんでいるだけだ,だからいいじゃないか
・リラックスするだけなんだから。。。。
・ビールしか飲んでないから。。。
・覚醒剤じゃないから。。。
・合法な市販薬だから。。。
・注射じゃなくて炙るだけだから。。。
・処方薬で、病院で処方してもらってるから。。。
・自分は依存症じゃない、あんなに酷くない
・本気になれば、いつでもやめられる
これらの声に負けてしまうのです。
体の不調で痛み止めが病院から処方されたとしても、これらの思考が出てきて、危ないという現実です。

2.アディクションは、モラルと判断力を低下させる
依存症の人は根は悪くない人が多いです。むしろ繊細で、優しい人が多い。しかし、使うことにより、飲むことにより、めちゃくちゃな行動に出ます。使い続けるにはモラルと判断力を低下させないと、使い続けられないのです。使うために、盗む、騙す、ひきこもる、暴れるなどの行為をするのです。しかし依存症者だからといって何でもしていいわけではないのです。

3.病的な状態を保つためには、イネイブラー(病気を指示してしまう人)が、必要
これは、イネイブラーがいないと、病気のなかにいられないということです。本人が責任を取らなくていいように、周りが動いてしまうことは、回復と反対に、病気を悪くします。イネイブラーは「この人のことを一番知っているのは私だ」と、思っています。しかし実は知らないことが多いのです。そして、親が手を放しても、本人の周りにほかのイネイブラーがいれば、同じ事が(悪化)起こります。

4.「恥」の感覚が染み付いている
依存症者は、自己肯定感が低く、常に「恥」の感覚があります。
このため、自分を隠し強がります。使う飲むなどの依存行為により、違う自分になれたり、同じような人のなかにいることができ、楽しく感じられます。しかしこの状態は長くは続きません。むなしさがこみ上げ、嫌な自分に戻り、誰かのせいにする思考になり、さらに依存行為が、ひどくなります。
「恥」をのりこえることは、非常に難しいことです。マイナスからのスタートになるのだから。。。

5.愛情を注ぐだけでは本人は変わらない
依存症者との生活の中で、何をやっても、なせかうまくいかなかった親は多いと思います。子供は親を上手く利用します。そして親は「私が〜だったから」「私のせい。。。」と思うようになります。
これは違います。本人の行動、思考は依存症という病気のせいで何もかも上手くいかないのです。一方で、イネイブリング(依存を助長させる行動)は、本人の病気を悪化させます。これをしないこと、その方法を学ぶために、昔のこと(失敗)を思い出し、学んでいくことが大切です。これが親の本当の愛情です。

6.依存症は家族の病気であり、家族を巻き込む
家族は。。。
・本人を恨む
・家族同士のイネイブラー
・兄弟、姉妹のいざこざ
・本人を攻める
・本人が機嫌を損ねないように振る舞う
。。。という行動を取ります。家族が病みます。家族が病まないためには、対応を変えていく必要があります。

7.本当に家族が正しいことをするならば、依存症本人は一時的に反発します。
家族が境界線をひき、イネイブリングしないことが何より大切です。

<Q&Aセッシ>ン

Q:31歳、彼女ができた。、息子の依存症のことをどうやって伝えるべきか?伝えたほうがいいのか?今後の付き合い方は?

A:再発の原因の一つに恋愛(失恋)があります。家族は口出ししない、関わらない、事がいいと思います。本人が治療をしてなければ尚更。そして、依存症的なやり方で接していきましょう。また家の中に入れず会うなら外で会うようにしましょう。

Q:本人は21歳。入寮している施設のフォーラムに行く予定。施設長からはOKをもらっているが。。。注意点は?

A:変な約束事は口にしない。よい居場所を見つけたね。。とだけ言う。

Q:若い本人(未成年)の施設での受け入れや対応、家庭内での対応を聞きたい。

A:10代でも距離の取り方は同じ。家族内、施設内ではルールを守ってもらう。
尻拭いはせず本人に責任を取らせる。
ルールに添えないならサポートできないと伝え、しっかりそれを守る。
具体的なやり方は家族会に通い、学ぶ。簡単なことではないが、覚悟をきめて。

あっという間の2時間でした。私たち家族は常に苦しさの中にいます。それでも家族会に通い、このような研修会に参加して、仲間と気持ちを話していくことで、少しずつ好ましいやり方や、自分の気持ちを楽にできる方法を学んでいきます。

今年もありがとうございました。学びの多い時間となりました。

5月9日(土)横浜ひまわり家族会 研修会

講師:NPO法人八王子ダルク家族支援事業SMILE、国立精神・神経医療研究センター
近藤あゆみ先生

テーマ:「非暴力的コミュニケーション〜Nonviolent Communication」(NVC)

今回の研修会は、近藤あゆみ先生をお招きしてお話を伺いました。
先生は5年前大病を患い、自分がたくさんの人に支えられている事に気づき、病気で療養の間、時間がゆっくりと流れたそうです。それにより、それまで忙しく自分の行動の向きを考える間もなく働いてきたこと、自分は何を大事にして一生を終えたいか。。と考えたそうです。そしてそれは、人とのつながりを理解し、理解されること、つまり安心、安全を感じられる生き方をしたいと思ったそうです。

いままでのスキルとしてのコミュニケーション術ではなくて、もっと奥深いその部分を知りたいと思い、マーシャル・ローゼンバーグが創始者である「NVC」を勉強していったとのことでした。

・自分が求めるものは思いやりであり、自分と人が心の底から与え合い、気持ちを通わせること
・相手を評価したり決めつけるのではなく、自分が抱いている感情と自分が必要としていることに耳を傾ける
と、マーシャル・ローゼンバーグはいっています。

①自分の感情に目を向ける
私は何を必要としているのか、相手は何を必要としているのか、それが分からないと心を通わせることはできない
②心理的境界線の維持とそれを維持しながら心を通わせること
③ニーズを知る
ニーズとはその人が大切にしている価値観です。それが認知され満たされたときにポジティブな感情が、逆に認知されず満たされなかったときに、ネガティブな感情が生まれます。
④自分の感情、相手の感情
ニーズが満たされたとき、満たされない時(犯された時)、それぞれの感情が生まれ、そのニーズにめをむけることが、必要です。
つまり、感情とはこのニーズを教えてくれるものてす。例えば「ムカついた」という感情が生まれたときは、その瞬間、大切にしていたその人のニーズが認められず犯されたと、理解します。そのニーズを満たすためにやれることがあり、感情の見方も変わってきます。

基本的な話のあと、ひまわり家族会のメンバーの事例をあげて、ワークをしました。

1.深呼吸して、目を閉じて
2.自分を責めず
3.自分の心と身体に目を向け
「私は悲しい。なぜなら私の大切にしている◯◯が、満たされず悲しいんだ」とちゃんと悲しみます。
(自己共感)
その時相手はどうだったかな。。と考えます。
(他者共感)
そして、自己を表現し、対話、繋がり、理解へを導かれます。

自分で自分の感情をわかってあげることが、他者を感情を想像し、理解していくことになります。ーーーーーーーーーーーーーーーー
自分の感情がなぜこうなのか。。。それは何がみたされたからか、何が犯されたからなのか。。。という考え方をしたことがなかったので、とても面白い話を聞けたと思いました。あゆみ先生の研修は、その日から、私たち家族が何かをできる内容だと思います。私たち依存症の家族たちはいつも不安や苦しみなど、ネガティブな感情に支配されます。その感情に飲み込まれることなく、幸福感も感じながら生きていきたいものです

4月25日(土) 横浜ひまわり家族会研修会

講師 相模原ダルク 代表理事 田中秀泰氏
スタッフ コマさん

4月の研修会は、相模原ダルクの田中様とスタッフコマさんにお話していただきました。全国のダルクそれぞれに特徴がありますが、相模原の特徴をまじえて、家族のありかたなどをおはなしくださいました。
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✩田中さんのお話
相模原ダルクは、13年前に田中さん、ほか3名で開設しました。この間出入りはありましたが、450人の依存症者たちに手を差し伸べてきました。その中で、卒業者の弾薬率は、90%と高い数字になっています。
@相模原ダルクの特徴
①「24時間の見守り、共に過ごす」
初期段階で入る寮は、共同生活です。買い物も1人では行かせないといいます。常に誰かといる安心感が大切ということです。
②社会に出てからもフォローする手厚さ
卒業したら、はい終わりではないということです。声かけや、ミーティング等、卒業してからも共に生きていきます。
③家族会
本人の回復と同じように大切なのが、家族の回復です。入寮している家族もいればしていない家族もいます。ダルクが運営する形で、会の前半は講師による勉強、後半は家族でのミーティング。
家族は、正しい知識と気持ちを楽にしていくことが大切です。
④教育
第1次予防
学校教育がこれにあたります。やってしまったらやめられなくなる人がいること、相談先があることを、学校に出向いてお話しています。
第2次予防
早期発見、早期治療です。ダルクへの通所による介入がこれにあたります。
第3次予防
全寮制のダルクへの入所となり、ここでは色々な方面から回復に向けて一緒に歩んていきます。
@家族にできること
家族は巻き込まれず、やってあげないこと、本人が自分で理解できるようにすることが大切です。
(突き放し、知識の習得)

@「突き放し」について
昔のように、たんに突き放すだけではだめです。家族は「この人なら任せられる。この人とともに一緒にやっていく」と、信じられる人を見つけ、その人と連携して、その時を待つことです。きちんと準備をすること。ダルクの職員などとあらかじめ相談しておき、いざ、本人に助けが必要となったときに、直接的にダルクに介入してもらい、家族は少し離れて見守ることが大事です。本人のために「きちんと突き放してあげること」が大切になります。

@失敗とは。。。
ダルクの中で失敗していいのです。

@相模原ダルクの寮について
先にお話したように、初期段階では共同生活の全寮制の寮に入ります。その中で過ごす本人のすがたを見て、スタッフ達が、相談して、次の寮への移動を提案し移動していきます。
初期段階ではあくまでよりそってもらい、社会生活に戻れるように少しずついろんなこと(スマホなど)が許されていきます。

@ステップ制度
いつになったら〜できるのか。。。と不安なままの生活ではなく、相模原では、ステップ制度で明確にその位置を決めており、自分が世話をしてもらうところから、やがて世話をする立場になり、さらにはグループや寮を任せられるようになっていきます。個室、スマホなども持てるようになります。。

@PAWS(ポーズ)を理解する
薬を止めてから出てくる症状。うつ、怒る、不眠、イライラなど。。。
これは薬をやめたからこそ出る症状である事を、それぞれが理解することにより、その症状で苦しんでいる仲間を見守り、共に生きていくことができるようになります。

✩スタッフ、コマさんのお話

少年時代からスポーツ、勉学と頑張ってきたコマさんは10歳の頃から強迫性障害に、悩んできました。家族にも言えず多感な小、中学校時代に苦しみました。
高校に、進む中、野球部員としても頑張りました。お話を聞いていると、常に頑張っていたんだなぁと言う印象を持ちました。大学生の時、クリニックに受診しお薬をもらうようになり、少し落ち着いてきました。
その後就職先でも頑張り続けます。早期に昇進し、頑張り続けた糸が切れてしまいます。上司に強要されて不正経理もやり、不安のなかアルコールがそれを助けてくれるとえる日を迎えました。あとはウソ、お金の使い込み、飲酒運転と、お決まりコース。たくさんの失敗をして、苦しいけど離婚、そして退職を決め、相模原ダルクに繋がり、今はスタッフをやっています。
頑張りやすい人、優しい人が依存症になる。。という話を、私たち家族はよく聞きます。コマさんもきっとそんな頑張り屋さん、そして優しい人なんだろうと思いました。心に響くお話でした。

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お二人の話を通して、家族がやるべきこと、そして相模原ダルクの様々な特徴を学びました。また依存症はだらしない人や、意志の弱い人がなるわけではない。。。ということも再認識しました。
ありがとうごさいました