6月22日(土)家族研修会

講師:群馬ダルク 代表 平山晶一氏、施設長 福島ショーン氏

今回の研修会は横浜ひまわり家族会 初の講師です!群馬ダルクの代表 平山晶一氏、施設長 福島ショーン氏をお招きしました。

ショーンさん(下のお名前でお呼びさせていただきます)は日本全国津々浦々?家族会やセミナーなどに行ったが、家族会の歴史が長い横浜ひまわり家族会だけは声を掛かけてくれず、今回やっと念願が叶った、と最初の自己紹介で私たちの笑いを取ったところからのスタートで、期待通り最後まで私たちを巻き込みながら母親やパートナーとの体験談を交えながら軽快なテンポで、本当にあっと言う間でした。

まず、平山さん、ショーンさんの体験談でした。それぞれ依存症に移行していくプロセスと回復のストーリーがありましたが、平山さんの「周りの友人も普通に大麻を吸っていたけれど、年齢が上がるにつれ普通にやめていったが、自分だけはやめることが出来なかった」は、横浜ひまわり家族会に相談にみえる家族の口から質問されることがあります。本人も“どうしてなんだろう”と思っていたのですよね。つい「周りはやめたのにどうしてあなただけやめられないの?」と責めるような言い方になって疑問をぶつけることが、本人を追い込んでいたことに気付かせられました。生きづらさを抱えていた中で、依存する薬物に出会ってしまい、一時生きやすくなったと勘違い?して使用しているうちに、今度はやられなくなってしまう・・という点はショーンさんも同様なことを話してくださいました。また回復していくきっかけは「家族が変わったこと」という話が私たち家族にとって、こころに大きく響きました。

その後、スライドで“本人のためにできること”を一つひとつ解説し、また一つひとつそれぞれ体験談を交えて語っていただきました。

・本人が大きな病気になったときのように接すること(大きな病気だと分かるとその病気のことを勉強したり、病気に良くないことは遠ざけたりする)

・常に本人と自分の依存症に関する病気と回復の勉強をすること

・本人に昔話や説教をしない、他者と比較した話をしない

・安全な環境が必要で、薬物等依存になるきっかけを与えない(本人の前でお酒を飲む等NG)

・本人が家にいるなら、ミーティングに行く時間を与える等、自分の時間は認めてあげる(ルールは必要)

・過去を懐かしむのではなく、これからの人生を作っていくこと

・自分の遊ぶ時間を作る

・本人が負うべき責任を肩代わりしない(イネーブリングしない)

・マイナスの経験をさせることが本人の変わるチャンスになる

・たとえクリーンが続いていても、互いに納得した境界線を作り、それは守る

・経済的なサポートはしない(どうしても必要な時でもお金は渡さない)

・病気の恐ろしさを忘れないこと

などの話はすべて大変に分かりやすく納得できたものばかりでした。平山さんはにこやかに落ち着いた語り口調、ショーンさんからは手ぶり身振りで軽快な語り口調と、コンビネーションも良く、楽しかったです。

それと。ときどき質問も飛んでくるので集中して聞かないと慌ててしまうことにもなり、程よくハラハラする時間でもありました。ちなみにわたしは「依存症は病気だと言われだしているものの、“意思が弱いだけでしょう”などと、どうしても世間に認知されないのはなぜでしょうか」と質問され、ドギマギしてしまいました。「血液検査に出ないから」とある家族の方が発表してくださり、ピンポンと正解でした。レントゲンでも、心電図でも出ないので、病気という認識が持てないというのは、本人も同様なのだろうな、と改めて思いました。

また「昔はかわいかったのよ」など、何気ない親の言葉が傷つくと聞き、世間話のようにしてきたかもしれないと、どっきりしました。

家族が陥りがちなこと、家族としては気付かなかったことを話していただいたので、すべてが家族会の皆さんにとって関心が大変高い内容での研修会でした。家族からの質問も止まらず時間が足りなかったほどでした。終了後私たち世話役に寄せられる家族の皆さんの声は「とっても良かった!!」という声ばかりでした。平山さん、ショーンさん、ありがとうございました。また横浜ひまわり家族会に是非来ていただきたいと思っています!