6月23日(土)家族研修会

講師:マロニエ医療福祉専門学校の医療学科の渡邉厚司先生

テーマ 「回復と成長(新しい生きかた)を「今日一日」踏み歩むための道具としての~12のステップ~」

いつもの優しい語り口でお話をしていただきました。

私たちが生活をしている社会は産業革命以降、有能で有用なことが優先され、人間としての価値が商品として捉えられるようになりました。そんな社会を生き抜くためには、気分の変容を求めるしかなくなり、それに貢献したものは感覚を麻痺させるアルコールだったということです。依存症をユングは「魂の病」と呼びました。

私たちの生きる社会は、「存在しているだけで素晴らしい」という感覚を持てない意識構造を生み出してきました。「自分を承認できない」ことが、感覚を麻痺させることを必要とし、コントロールを失っていくひとが多くなってしまったということです。

回復していくためには、まず土台である人との関係を創っていくこと、それにはありのままの自分を受け入れることができるように支援していくことが大切です。

負の感情を見ないように棚上げしてもいつかは手元に持ってこなければならない時がきます。その時に負の感情を言葉にできると自分が扱える大きさの問題になるとのことです。自分の心の奥に潜む得体のしれない感情に向き合うことはだれしも恐怖があります。仲間と語ることで自分の中の感情に気づきがあり、それも含めての自分の存在を受け入れていけることが回復への入り口になって行きます。

今回の研修を通して、「考え」が優位の世の中で気持ちや感・相手を変えるのではなく自分の生き方を変えていくということを学びました。

「私が私の一番の理解者」であるために、自分を大切にしていきたいと思います。一日の終わりに、自分にハグを!